おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

2020年のクリスマス

このところ、英国のニュースが世界中で放送されているらしく、友人知人から連絡を多く頂きました。英国のクリスマスとは家族で過ごす時間のようで、大抵の職場はクリスマスはお休みです。

逆にクリスマスは忙しいという職種は飲食店を含むサービス業かと思います。

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ブリストルのロックダウンが緩和されてわずか1週間の間に英国はヨーロッパ諸国からブロックされ、世界中の40カ国以上の国に入国の制限をかけられました。この1年、苦しまされてきたウイルスが変異してさらに感染のリスクが上がったとなれば当然でしょう。

 

ブリストルはロックダウンが緩和されてわずか1週間で再びロックダウンに突入することを言い渡されました。ロンドン周辺のロックダウンよりはやや緩い規制ですが、クリスマスを前にその地域を既に出た人々がたくさんいるかも知れませんし、その対策にどれほどの効果があるのかはまだ誰にも解りません。

クリスマスには毎年パート先でシークレットサンタという催しを行います。参加希望者がクジを引き、そのクジに書かれた参加者に自分の名前を隠してサンタになり、プレゼントを贈るのです。おかっぱの職場ではクリスマスが近くなると箱が用意され、その箱に誰もいない時にプレゼントを入れます。箱の中に自分の名前あてのプレゼントがクリスマスまでに用意されるのです。

今年はその催しも中止になりました。

 

英国はブレグジットも迫り、今年は歴史に残る年になったように思います。

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さすがにブリストルの人々もこの繰り返されるロックダウンと迫り来るブレグジットには参ったというところでしょう。今回のわずか1週間の間の再度ロックダウンのニュースには普段礼儀正しいパート先のマネージャーでさえもショックのあまり、なかなか強烈なコメントをしていました。

 

今度は英国の1度目のロックダウンとは違います。その頃は今年のクリスマスにはまた家族で集まれるのではないかとみんな前向きに考えていたのです。我が家は中止にしましたが、他の家庭ではルールに沿った人数に制限してクリスマスを祝ったりするようです。

それもブリストル以上に警戒レベルの高い地域は実現できません。

ブリストルではクリスマスの直後、26日のBoxing Day(国民の休日)に再びロックダウンに突入します。

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冬になると再び感染者が増えると言われていたシナリオ通りに事は進んでいるように見えますが、ほとんどの人が描いたシナリオよりは状況が悪いようです。

 

旅行もできない、家族に会えない、パブもレストランもない、無いことを挙げるとキリが無いほど普段のクリスマスと比べてないもの尽くしです。おかっぱ宅では、相方がメインシェフとなり、おかっぱが手下のシェフとして2人分のクリスマスディナーを作る予定です。いつもと違う手作りクリスマスにおかっぱはそこそこ満足しています。元気にクリスマスを迎えられて良かったな…と。

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家族全員でそれを祝えたら良かったのですが、それはしばらく延期です。

 

今回の件は色々と考えさせられることも多いと思います。テクノロジーの利用が増え、その速度が非常に速く、便利な世の中になったと思うのと同時に、人間が幸せに生きるためにテクノロジーが利用されているはずなのにそんなに幸せそうに感じられない人々の表情を目の前で見てきたからです。

パブがパブである理由は人々の心の拠り所のような、人間の感情や気持ちを大切にする場所だからなのかと思ったのでした。

 

それでもやっぱり便利ではあるので、何事もバランスなのですね…。

 

激動の2020年、それでもクリスマスはやって来ました。

多くの人々が無事にこれを乗り越えて皆であの時は大変だった!と笑い話にできる日が早く来ますように。

メリークリスマス!

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へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)

 

 

 

パブ文化の存続

英国全土のロックダウンが解除され、ブリストル村はロックダウンを継続する事を言い渡されました。

ブリストル村が置かれていたロックダウンとは、パブやレストランは休業、これまで通り生活に必要な業種(食品店や薬局など)は営業できるというルールでした。それに加え、美容業も営業が可能になりました。

以前のロックダウンと比べてやや緩い規則でした。

それから約2週間、ブリストル村のロックダウンは緩和される運びとなりました。

 

パブは初めの英国全土のロックダウンの終わりと比較してまたいずれ来るであろうロックダウンの影を意識せずにはいられない営業再開でした。

ブリストル村でロックダウンが緩和されると同時に他の地域はロックダウンが強化されたためです。

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初めのパブ再開後、静まり返ったパブにてパブとは何なのかを考えていました。元々パブリックハウスという名前だったパブはその名の通り、人々の社交の場でした。おかっぱが在籍するパブはファミリーレストランのようなパブですが、それでも仕事の後にちょっと寄ってパブ仲間に会ったり、フットボール(サッカー)を見に立ち寄ったり、誕生日のお祝いをしたり、お酒を飲まない人はお茶をしに行ったり…。

そんな場所がパブだったのですが、このパンデミックによってすっかり変わってしまいました。

 

マスクを着用し、入口で手を殺菌するようにお客に頼み、政府の要請通りに個人情報を申請するように伝え、規則を守れないお客は容赦なく出入り禁止にし、政府の与える課題を次々にこなしたと言っても過言ではないと思います。

 

ロックダウン緩和後のパブは同じ家に住む人同士でないと来店することが許されません。さらに、しっかりとした食事をすることが義務付けられています。おかっぱの働くパブはレストランのようなパブなのでそれでも営業することができますが、完全な社交の場としてのパブはキッチンがないお店も多いのです。今度の新しいルールによって再開できないパブは多いはずです。

政府が経済を回復させる為に行ったEat out help outは大した経済効果がなかったばかりか、それによって感染を拡げたと政府が批判され、ロックダウンが繰り返される結果になりました。

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そして現在、パブがパブでなくなることを政府は求めています。しかし、過去に食事をすることのなかったお客が食事を注文し、中にはしばらく手をつけずにまるで飾りのように傍らに置いておくお客もいます。

 

パブを守ろうと来てくれるのです。

 

クリスマスには英国全土でロックダウンが緩和される予定でしたがロックダウンダウン強化の地域はそれも中止になりました。クリスマスに休みになるとは随分都合がいいウイルスだと人々が政府を批判したからでしょうか…。

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昨年のクリスマス直後、義母は突然具合が悪くなり、肺炎になり、入院して人工呼吸器をつけ、家族は危険な状態であると宣告されました。今ではすっかり回復して元気そうですが、もしかして、あれはCovid 19だったのではないか…と家族全員が疑っています。

 

クリスマスの家族で集まって食事をする恒例行事は我が家では中止しました。リスクの高い家族が危険に晒されるのは徹底的に避けるべきだと話し合った結果です。Covid 19でなくても風邪でも充分リスクはあります。体調に異変が起きてもすぐに診察してもらえる保証はありません。

 

そんな本人は自宅でドレスを着てパブに行けるようになったらこれを着て行くのだと写真に撮って家族に送って来るのですから、やっぱりパブがパブでなくなっても人々の心の中にパブの文化は残っているのです。

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その心の中のパブがなくならない限り、パブが完全になくなることはないでしょう…。何年先になるかはまだわかりませんが、それまでなるべく多くの人の生命が守られ、なるべく多くのパブが存続できるよう願っています。

 

へば、まんず!

(秋田弁で、それでは、この辺で!)

 

 

 

 

 

大きなお世話

室内園芸の初心者であるおかっぱが連れてきた各種植物たち…。おかっぱが初心者であるために既に様々な余計な世話を焼かれてきました。

 

まず、ガーデンセンターで入手してきた小さな鉢2つですが、ヒポエステスポルカドットとワイヤープランツと信じていました。ワイヤープランツ(仮)の鉢には品種の表示がなく、これはワイヤープランツかと店員に聞いたらそうだと言われ、ワイヤープランツと思って扱っていました。

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しかし、ペペロミアペッパースポットなのではないかという疑惑が…。ワイヤープランツならば水がたくさん必要で日当たりの良い場所が好きなようですが、ペペロミアは乾燥が好きで明るい日陰が好きな植物のようですから、全く違うことをしていたことになります。ワイヤープランツと信じて多少夜は冷えるであろう日当たり重視のアリーナ席を用意したのでした。

 

園芸素人はやることが残酷です。

 

しかし、意外と元気に育っていて冬の英国の日当たりなんて大した日当たりじゃないと証明するつもりのようです。

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その後同じ日に我が家に来たカラテアとアジアンタム。以前から育てているレモンにハダニが発生した際に撃退すべく様々な方法を試し、既に居なくなったように見えたもののニームオイルを希釈したものを塗布し、その後も定期的に与えています。ニームオイルによってハダニとの終戦を遂げたような気持ちです。ですから予防目的で我が家にやってきたら他の植物にも与えようと思っていたのです。

 

これがいけなかった…。

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カラテアはツヤツヤになり、悪くはなさそうですがアジアンタムは一瞬にして水を弾かなくなりました。アジアンタムの葉が水を弾かないとは明らかにおかしいと思い、原因は何か調べることにしました。すると、触ると調子をくずすと言う愛好家がいるではありませんか…。

どうやら手についた油がアジアンタムの薄い葉に付着するとそれによって葉が傷むのだそう。手の油でも傷むのに浴びせたのですから酷いとしか言い様がありません。

 

我ながら絶句です。

 

その後、予想通り葉が若干茶色くなっていき、カサカサと言わないまでも見るも無惨な姿に…。春から夏の気候の良い時期であれば傷んだ葉を全てカットして仕立て直すという選択肢があるようですが、この時期どれほど生長するのか園芸素人には未知の世界です。多少でも緑があれば光合成するであろうと酷い傷みの部分のみ切り落として様子を見ることにしました。

根元を見ると新しい葉が出てきています。まるで山菜の生える森のようです。

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アジアンタムは湿度が必要なので霧吹きをかけなくてはならないと言う愛好家が多いのに対して、霧吹きなどしなくても良いと言う愛好家もいて素人は完全に路頭に迷いました。

初めの数日は霧吹きをかけたものの新芽か開かずに枯れていくため思い切って霧吹きを中止しました。初めにかけたオイルの影響なのかまたは水加減がお気に召さないのか…不明です。思えば来てすぐに水をたっぷり与えたものの、その際土が水を弾くほどカラカラに乾燥していました。もしかしたら来る前に水が足りなかったのかも知れませんし、それも不明です。

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霧吹きを中止して数日、スタンバイしていた新芽が徐々に枯れることなく開き始めました。

我が家では霧吹き、不採用です。

 

こうなると元気そうではあるものの南国の植物カラテアもこれで合っているのか…と心配になります。水道水は与えてはいけないと聞いたので濾過した水を温めて与えましたが気温や湿度が気になります。

湿度温度計を購入しました。

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さらには濾過した水でも心配だと庭に桶を置いて雨水を集める始末。

 

おかっぱに子供はいませんが、植物でもこんな調子ですから子供がいたら過保護すぎる親になっていたのでしょう…。もちろん子育てには植物どころではない大変な事がたくさんあるのでしょうけれど…。

 

そんなことを思いながら植物を眺めるともう放っておいてくれ!と叫びが聞こえてくるような気がします。

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©️Nanashinookappa

 

へば、まんず!

(秋田弁:それではこの辺で!)

バンクシー出現

ブリストル出身の覆面アーティスト、バンクシーが近所に現れました。おかっぱが時々通るお散歩コースです。このお散歩コースは住宅がある坂道としては英国内で最も勾配のきつい坂なのだそうで、カラフルな家が立ち並ぶ「ポップなお散歩コース」です。お気に入りのコースではありますが、急な坂ですので雨が降る足場の悪い日にはあまり通りたくないような容赦ないコースでもあります。

このエリアはおかっぱが以前住んでいたフラットと現在のフラットのちょうど中間地点のようなエリアでカラフルな家が立ち並ぶのをただ眺めるために訪れる観光客は滅多にいません。おかっぱのような新参者でしかも近所の人くらいかと思います。

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おかっぱは散歩の途中にこれが英国一の坂か…と勾配のきつい部分を何度も上下し、なるほど…とその坂を踏みしめ、その場を立ち去るのですが、そんな不審な行動をしていても目撃者は滅多にいません。これまでその通りの住民か郵便配達員くらいにしか会ったことがありません。

 

ブリストル村の住民にとって、坂がきつくカラフルな家があるということ以外は何の変哲もない住宅街なのだと思います。

 

そのまさに坂のきつい部分の角にある家にバンクシーのグラフィティが出現しました。ブリストル村のローカルニュースで英国一急な住宅のある丘にバンクシーと思われるグラフィティが出現したと書かれていました。そしてそのグラフィティは後日バンクシーによって本人のものであると確認され、保護するためのカバーがかけられたと追加のニュースで読みました。

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相方にバンダライズされる前に見に行こうと言うと、相方はあの坂には車を停めたくないと言います。車のサイドブレーキを信用できないそうです。英国にもMOTと呼ばれる車検のようなものがあり、検査に合格した車しか運転することは許可されず、そのMOTも今年の春に問題なくクリアした車です。それなのに信用できないとは車というよりは英国のMOTを信用していないということでしょう…。

 

本来はわざわざ車で行く距離でもないのでスーパーで買い物をした帰りに付近に車を停め、立ち寄ることにしました。その場所でも車で通るとやはり結構な坂でした。不備のない車であっても最新の整備車でない限り相方はきつい坂には停めたくないのでしょう…。

 

さて、例の現場に近づくと、人が集まって写真を撮ったり取材をしているような人もいて、どこにあるのか一目瞭然です。

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ニュースにはその家の持ち主が家を売却した直後にグラフィティが出現したと書かれてあり、集まった人々もそれについて話していました。バンクシーが絵を描いたことによって不動産も合わせて500万ポンド程の価値にはなったと話し声が聞こえてきました。それが本当ならば、購入者はバンクシー長者です。

売れたばかりでまだ誰も住んでいないようですが、おかっぱがそこに行った日は平日の昼にも関わらず10人ほどの人が集まって周りをウロウロしたり写真を撮っているのですから、この家に住む人はこの調子ではずっと見られているような気分になるだろうな…と余計な心配をしてしまいました。

坂を上下し踏みしめる不審な外国人にそんな心配はされたくないとは思いますが…。

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透明のカバーは取り付けられているものの、この前にブリストルに現れたバンクシーのグラフィティはカバーが取り付けられた次の日にカバーが盗まれ、すぐに落描きをされたので、この家もまた落描きをされるリスクが非常に高いと思われます。

さすがに一般住宅の壁を盗む人は現れないとは思いますが…。バンクシーが現れて良かったのか、心配ごとが増えるのか…。複雑な心境かも知れませんね。

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へば、まんず!

(秋田弁: それではこの辺で!)

 

 

南国の植物がやってきた

英国全土のロックダウンを経て、警戒地域としてロックダウン継続を言い渡されたブリストル村でしたが、徐々に落ち着きを取り戻しているようです。

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実はこのロックダウンに突入して数週間、顔が半分痺れるようになりました。痺れるとはいえ、きちんと普通に動きますし、酷くなったら病院へ行こうと思い様子を見ていました。約2週間経ち、悪化も改善もしないため、病院に予約の電話をしました。

電話に出た女性が様子を見てくださいと言うので、もう2週間様子を見ましたと伝えるとドクターが電話に出ました。2週間ほど前から症状が出たと言うと、すぐに病院に来るように言われ、2時間後の予約を入れてくれました。

様々なチェックを終えて、脳に異常のある兆候は見られないが、呂律が回らなくなる事や手足が自由に動かなくなるような事があれば救急車を呼んでもいいから病院へ行くようにと言われました。

 

ロックダウンでストレスを抱える人が増えているようで、おかっぱもストレス性のものの可能性が高いとの事でした。確かにこの所スッキリしない天気が続き、なんとなく元気が出ないような気はします。

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午後4時になると暗い英国の冬。今後の見通しもよくわからないままですし、顔の痺れがストレスのせいならば、家の中を明るく楽しくするしかありません。

そんな理由で部屋の中で園芸を嗜むことにしました。

 

相方も休日なのにどこにも行けないと不満をもらしていたのでガーデンセンターに行こうと誘い、車を出してもらいました。ガーデンセンターは入口付近のほとんどがクリスマスツリーで埋め尽くされ、クリスマスらしい植物がそこらじゅうに置かれていました。

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そんなクリスマス一色の売り場でおかっぱの目についたのはカラテアという南国の植物でした。事前のインターネット検索で初心者向きではない、難易度がやや高めの植物と書いてあるのを見かけたので、しばらく悩み、育てかたをよく調べてから考え直す事にしました。

小さい植物を2つとテラコッタの鉢を買い自宅へ戻り、テラコッタの鉢に落描きをしてカバーにしました。

 

しばらくカラテアの育てかたをインターネットで検索し、カラテア愛好家のYouTubeを見たりしていましたが、どうも忘れられません。

 

わずか数日後にやっぱりあのカラテアが忘れられない!と再び相方を連れ出し、ガーデンセンターへ向かったのでした。忘れられないカラテアは全て出払ってしまい、同じ種類の巨大な鉢が残っていました。半分にして別の鉢に詰めて貰えないのかと相方が言い始めました。

スーパーのお惣菜を買うイメージのようです。

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結局、カラテアではなく別の難易度の高いイメージのある植物を買い帰ろうとしたところ、帰り道に小さな園芸店に寄って帰ろうと相方が言いました。

その園芸店には同じ種類のカラテアはなかったものの別の種類が何種類もあり、その中のひとつを買って帰る事にしました。園芸店のおばちゃんはカラテアは難しい植物だから頑張ってねと励ましてくれました。

 

かくして我が家にやってきた植物たち。いざ育てかたをきちんと調べても天候のいい国のやり方はあまり参考になりません。日照時間と相談して独自の路線を模索することになりそうです。暗い英国の冬を戦い抜くためには植物にもそこそこの試練が待ち受けていることでしょう。

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植物の観察と世話という新しい日課ができ、英国の空とは反対にやや明るい気持ちになったおかっぱです。

 

英国のインドア植物もインドア生活もちょっとしたサバイバルかな…。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それではこの辺で!)

村脱出願望と秋田弁

英国全土のロックダウンは今日までですが、人々はストレスを溜め込んでいるようです。我が家の相方もこんな国最悪だ!日本に引っ越そう!などと言って最早冗談には聞こえない雰囲気でした。

 

義母はこのパンデミックが始まって以来、全く外出していません。これが収まったらまた家族全員で集合するのを楽しみにしながら家にずっといるのです。そんな最中、おかっぱが相方を引き連れて日本に引っ越すわけにはいきません。実際におかっぱが無理矢理連れて行くことはないでしょうが…。

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おかっぱもそこそこ大きな決意を持ってこの国に引越して来たので大変な事くらいあるだろうと思っていましたし、このパンデミックは程度の違いはあれど、我々だけ、英国だけに起きた惨事というわけでもなく、全世界、全人類が味わっているものですから過ぎ去るのを待つしかないと思っています。

 

それでも隣の芝生は青いようで、どの国に行こうとも英国よりはマシであると言い張る相方に少々手を焼いていました。以前の日本しか知らない相方ですし、最大1ヶ月ほどしか滞在したことのない日本ですから、いい思い出ばかりが記憶にあっても不思議ではありません。

 

このパンデミックで大きな被害を受けている国から来られる方も迷惑だと言ってみたところで、効果はなし。

よその島に住んでいる身分で新参者のおかっぱがこの国の全てを知るはずもなく、悪く言う権利もないと思っていますし、どうせ同じ一日なら楽しんだ方が有意義です。英国は素晴らしいと大変満足して暮らしているように見えるのも無理はありません。

 

おかっぱだって、たまには嫌なことくらいありますが…笑。

 

相方は休みの日にはパブで食事をしたり、どこかに出かける事が気分転換になっていたようです。このロックダウンが始まって以来、気分転換の場を失い、イライラしているようです。こんな国にいなくてはならないのは妻が英国を愛しているから!という理論が彼の中で展開されているようです。

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夕方4時半、近所の橋から

それもある意味全く意味のわからない展開でもありません。おかっぱは日本語が読めますし、日本にいる家族、友人、仕事の関係の人などと話をする機会もあります。いい話も悪い話も聞こえてきますが、日本語を読めない相方が日本で今何が起こっているかという現場の声を聞く手段はほぼないと思います。

おかっぱでさえ、聞いた話やニュースで読んだ話でしかないので現実とは少し違う可能性があります。

 

そんな最中、英国政府はロックダウン後の方針について発表。ブリストル村はTire 3という警戒レベルが最大の地域に指定されることになりました。つまり、ロックダウンとほぼ同じ状態が最低あと2週間続くというわけです。

 

相方はもう、うんざりのようです。

万が一ストレスで鬱にでもなられたら困るな…と思い、日本に引っ越すには何が必要かというリストを作成したおかっぱ。いざとなったら引っ越せると思っておけば鬱になることもないのではないかと…。

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ロックダウン前のブリストルカテドラル

それを見た相方は、日本に強制連行されるのかと不安になったようで、妻が大好きな英国を離れるわけにはいかない!と言い出しました。

 

どうやら日本に引越すつもりはないのに言いたかっただけのようです。日本の方が絶対にマシ!と相方の最近の口癖を試しに真似てみたおかっぱ…。

いよいよ焦った相方は、この国から行っても歓迎されないよ!と、どこかで聞いたような事をおかっぱに言い聞かせ始めたのでした…。

 

なんじだっけな!!!

 

(秋田県南部の方言で、どうなってるんだよ!の意)

…と、口にしかけたおかっぱでしたが、ここはブリストル村。日本語もあまり話せない相方に秋田弁など通じるわけも無く、むなしく心の中で響き渡ったのでした。

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引越し前に撮った鳥海山

 

へば、まんず。

(秋田弁: それでは、この辺で)

 

ロックダウンベイビーズ

英国全土のロックダウンも2度目となり、良くも悪くも人々はこの状況に慣れてきました。良くなったと思われる点は、人々の衛生管理能力が上がったということでしょう。我が家の相方は何を隠そう掃除の鬼です。元々掃除は好きそうですが、磨きがかかりました。

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このパンデミックの騒ぎが始まってからというもの、相方は家中を薄めたブリーチで拭き始め、買ってきたものも全て洗ったり拭いたりして所定の場所に収納するようになりました。

一時はこんなに毎回拭くのはもううんざりと口にしていましたが、最早すっかり慣れて拭かずに収納するのは気持ちが悪いと思うくらいになったようです。外から帰ると手を洗い、ブリーチ薄め液を使ってそこらじゅう掃除して回ります。そんなに拭いたら手すりなんかすり減るのではあるまいか…と心配になるほどです。

 

ロックダウンは予定通りにいけばもうじき終わる予定ですが、ブリストル村の感染者は以前と比べて増えたようで、Tire 3という一番警戒レベルの高い場所に指定される可能性もあるようです。

そうなれば、英国のロックダウンは解除されても実質ロックダウンと変わりがない日常になりそうです。

 

前回のロックダウンが緩和された直後に貰ったアロエは新しい葉が出て随分成長しました。

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このアロエは日当たりの良い場所に置くとどうも気に入らないらしく、元の場所に戻してくれと言わんばかりに顔色が悪くなります。初めは突然日当たりがいい場所に移動したため、葉やけでもしたかと思ったのですが、どうもそういうわけでもなさそうです。何度か試したのですが、元の場所に戻すとまた綺麗な緑に戻りました。余計なお世話だったようです。

 

今度のロックダウンは天候もいまいち優れない日が多く、室内で育てる植物がもう少しあってもいいな…などと思い、以前から育ててみたかった柚子の苗を買うことにしました。

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柚子と言えば、実がつくまでに18年とよく聞きますが、品種によってはもっと早いものもあるようです。秋田村ではこういった柑橘類の木は見たことがなく、以前からどんな木なのか育てて見てみたいと思っていたのでした。

今回のパンデミックの騒動で閉じ込められがちなことも手伝って、人生は短い!そうだ!柚子を育てよう!!と思い立ったのでありました。そもそも実がつくことは期待していないのですが、早く買わないと死ぬ前に実が採れない!と、わずかばかりの期待を胸にオンラインで購入することにしました。

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数日後、小さな箱が我が家の郵便受けに投函され、それを開けると貼り付け状態の柚子の苗と感動的なご対面…。

前回のロックダウンから育てているレモンと並べると前回のロックダウンからいかに時間が経過したのかを物語っているようで何とも言い難い気持ちではあります。

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英国は暗い冬に突入する時期ではありますが、すくすくと育って欲しいものです。

少し前にレモンはハダニにつかれていると判明し、駆除したのですが、柚子も葉の感じがなんとなくレモンと似ているので同じような虫の襲来を受けそうです。

レモンはそろそろ虫の駆除の遅れも許してくれたようで、新しい葉を出す勢いがついてきました。寒いのになかなか元気です。

 

我が家の掃除の鬼が鉢の断捨離を求めてくるほど大きくなりそうな予感がします。

 

植物も掃除の鬼もロックダウンがなければこんなに育つことはなかったでしょう…。

この状況でも精一杯肯定的に見ると色々と出てくるものですね。

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ロックダウンベイビーズ、ロックダウンが終わってもみんな元気に頑張るんだぞ〜!

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)