おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

空を眺めて

我が家に南国の植物がやって来るきっかけを作ったのは英国のロックダウンでした。昨年3月末からの1回目めのロックダウンでレモンと唐辛子やアロエなどを育て始め、2度目のロックダウンで柚子の木、そして南国の植物たちがやって来ました。

柚子が我が家にやってきてからというもの、植物が増えました。人生は短く、人間は通常、自分の人生しか生きられないのですが、植物を家に置くというのはその分の人生(植物なので植物生…?)までも一緒に体験しているようなものかと思います。

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同時に、通常であれば有り得ない環境に植物を無理やり連れてきて置き、コントロール下に置くのですから、なかなか業の深い趣味とも言えるかも知れません。

現地では雑草のような扱いだったりするものでも違う環境下では途端に気難しくなるのですから自然はいかに偉大かとわかります。

 

さらに管理者は園芸素人です…。

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園芸素人なりに様々な思いをめぐらせ、植物の視点で(植物を置く場所から)空が見えない位置には置かない事にしています。

おかっぱの好きな画家のひとりである、フンデルトヴァッサーの建築物の考え方を逆にした感じです。フンデルトヴァッサーは、自然をテーマにした作品を多く残しており、中でもフンデルトヴァッサーハウスのコンセプトは室内で植物を育てる時に大変参考になると思います。

家を建てると地面が失われる、その代わりに屋根に植物を植える等、彼の哲学によって設計されたその住宅はまさに自然に回帰し自然と共存する家と言えるでしょう。

彼の作品作りのコンセプトは自然に対して敬意を表したものが多く、人工的環境下で栽培された植物であろうとも元々は自然のものなので室内に置く場合でも敬意を払って空が見える位置に置こうと思ったのでした。自然との繋がりを植物を通して室内に取り込むというイメージでしょうか。

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現在は半日陰を好むと言われる植物たちも西側の窓の近くに置かれています。窓に向かって伸びていく姿は感動的です。

今の英国は季節的にもし直射日光が当たっても大した事がないと思うのですが、これから徐々に夏に向かって日照時間が伸びてきたら別の方角にある窓の近くに移す予定です。

無理やり連れてきた罪滅ぼしではありませんが、やはりその個体からの目線で空が見える位置には置こうと思います。

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園芸素人の苦肉の策なのでこれが正しいのかは全く解りませんが、我が家の初代カラテア、ルイーザエ(おそらく)には新しい葉が出てきました。合計4枚です。さらにはまだ茎も葉もない土だけの部分から新芽が2つ出てきました。喜びのあまり叫びそうになりました。

実はここのところ、カラテアに仲間を見つけてあげなくては…と思ってホームセンターやガーデンセンター、スーパーなどから植物を買い、少しずつ連れ帰っていたのでした。

 

自然の中では周りに植物が沢山あるので周りに植物があった方がいいのかと…。今日で隔離も終わりなので、また散歩がてら仲間を探しに行こうと思います。

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そんなことばかり言っていては部屋の中に庭でも作らなくてはならなくなってしまいますが…。柚子の木を思い切って買ったことがきっかけになり、ここまで世界が広がるとは思いませんでした。部屋の中にいながら自然の偉大さに思いを馳せ、ちょっとした旅行気分です。

 

たまに、ペットを飼っている人がペットと話せたら良かったのに…と言うのを聞くことがあり、植物が喋ったらどうなるのだろうと想像したりしました。部屋が寒い、水がまずい、風を浴びたい、もっといい場所に置いてくれ、果てには故郷に帰りたい…などと毎日言われたらたまりません。

想像の植物の会話(秋田弁、横手平鹿、湯沢市あたり)の様子がこちらです…。

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やはり、喋らなくて良かったのかも知れません。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)