おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

パブ文化の存続

英国全土のロックダウンが解除され、ブリストル村はロックダウンを継続する事を言い渡されました。

ブリストル村が置かれていたロックダウンとは、パブやレストランは休業、これまで通り生活に必要な業種(食品店や薬局など)は営業できるというルールでした。それに加え、美容業も営業が可能になりました。

以前のロックダウンと比べてやや緩い規則でした。

それから約2週間、ブリストル村のロックダウンは緩和される運びとなりました。

 

パブは初めの英国全土のロックダウンの終わりと比較してまたいずれ来るであろうロックダウンの影を意識せずにはいられない営業再開でした。

ブリストル村でロックダウンが緩和されると同時に他の地域はロックダウンが強化されたためです。

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初めのパブ再開後、静まり返ったパブにてパブとは何なのかを考えていました。元々パブリックハウスという名前だったパブはその名の通り、人々の社交の場でした。おかっぱが在籍するパブはファミリーレストランのようなパブですが、それでも仕事の後にちょっと寄ってパブ仲間に会ったり、フットボール(サッカー)を見に立ち寄ったり、誕生日のお祝いをしたり、お酒を飲まない人はお茶をしに行ったり…。

そんな場所がパブだったのですが、このパンデミックによってすっかり変わってしまいました。

 

マスクを着用し、入口で手を殺菌するようにお客に頼み、政府の要請通りに個人情報を申請するように伝え、規則を守れないお客は容赦なく出入り禁止にし、政府の与える課題を次々にこなしたと言っても過言ではないと思います。

 

ロックダウン緩和後のパブは同じ家に住む人同士でないと来店することが許されません。さらに、しっかりとした食事をすることが義務付けられています。おかっぱの働くパブはレストランのようなパブなのでそれでも営業することができますが、完全な社交の場としてのパブはキッチンがないお店も多いのです。今度の新しいルールによって再開できないパブは多いはずです。

政府が経済を回復させる為に行ったEat out help outは大した経済効果がなかったばかりか、それによって感染を拡げたと政府が批判され、ロックダウンが繰り返される結果になりました。

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そして現在、パブがパブでなくなることを政府は求めています。しかし、過去に食事をすることのなかったお客が食事を注文し、中にはしばらく手をつけずにまるで飾りのように傍らに置いておくお客もいます。

 

パブを守ろうと来てくれるのです。

 

クリスマスには英国全土でロックダウンが緩和される予定でしたがロックダウンダウン強化の地域はそれも中止になりました。クリスマスに休みになるとは随分都合がいいウイルスだと人々が政府を批判したからでしょうか…。

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昨年のクリスマス直後、義母は突然具合が悪くなり、肺炎になり、入院して人工呼吸器をつけ、家族は危険な状態であると宣告されました。今ではすっかり回復して元気そうですが、もしかして、あれはCovid 19だったのではないか…と家族全員が疑っています。

 

クリスマスの家族で集まって食事をする恒例行事は我が家では中止しました。リスクの高い家族が危険に晒されるのは徹底的に避けるべきだと話し合った結果です。Covid 19でなくても風邪でも充分リスクはあります。体調に異変が起きてもすぐに診察してもらえる保証はありません。

 

そんな本人は自宅でドレスを着てパブに行けるようになったらこれを着て行くのだと写真に撮って家族に送って来るのですから、やっぱりパブがパブでなくなっても人々の心の中にパブの文化は残っているのです。

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その心の中のパブがなくならない限り、パブが完全になくなることはないでしょう…。何年先になるかはまだわかりませんが、それまでなるべく多くの人の生命が守られ、なるべく多くのパブが存続できるよう願っています。

 

へば、まんず!

(秋田弁で、それでは、この辺で!)