パブの近況
英国でロックダウンが緩和され、パブが開いてから約1ヶ月が過ぎました。
英国がロックダウンに突入する直前、ブリストルの友人がウェールズのパートナーの家に引っ越しました。イングランドとウェールズを行き来できなくなる事が予想された為です。
その友人とそのパートナーに先週末、数ヶ月ぶりに会うことができました。
彼らの住むウェールズですが、実はブリストルからそんなに遠くはありません。車で1時間もかからずに違う国、ウェールズに行くことができます。ところが、ロックダウンの影響で英国内の国同士を行き来することはしばらく禁止されていました。
ロックダウンが緩和され、やっとウェールズからイングランドに「入国」できるようになったのだそうです。
おかっぱはこのパンデミックの最中、英国全土が英国政府の指揮によって動いていると思っていたのですが、どうも誤解していたようです。ウェールズはイングランドよりも厳しいロックダウンの措置が敷かれていて、今週からやっとパブが開く事になったのだそうです。
ブリストル村はパブが再開してから既に1ヶ月が経過したのですが、店内は閑散としており、いつもと違う仕事が増えたパブは忙しくないのに妙な緊張感に包まれていました。
パブで働く側としては細心の注意を払い、お客達を不安にさせる事のないようにしているので、パブは怖くないと知っています。ところが、パブの内情を知らない人々はテレビで見た混雑する都市部のパブなどを想像するため、やはりパブはまだ怖いという思いがどこかにあるようでした。
ここに来て、政府が低迷したサービス業の救済措置を打ち出すことになりました。Eat out to help outというキャンペーンです。政府が半額負担(1回の食事で1人につき上限10ポンド減額)するから外食して経済活動に協力してくださいという政策です。
これは8月中、月曜日から水曜日まで行われる予定です。初日の月曜日、ウェールズでパブが再開された日、おかっぱが働くパブはクリスマス以来の忙しさでした。
店が終わる頃には全員、生き残ったという感動でいっぱいでした。
そんな忙しい時に限ってとんでもないことを始める困った客がいて、おかっぱはその対応をすることに…。
ガーデンの使ってはいけないと説明されたはずのテーブルに登って踊る若者がいたのです。英国のパブの営業再開の許可は、現在も歌う、踊る等の行為は禁止、必ず着席することが条件です。そうでなくとも、パブはテーブルに立って踊るところではありません。特に昼間はファミリーレストランのような場所です。
降りて着席してください。そうでなければ出ていってもらいますと言うと、すみませんと言って席に着いたのですが、その場を去ろうとすると「あの中国人、厳しいな」と言うのが聞こえました。おかっぱではなく権限のある立場の同僚なら即退場させていたと思います。その一言であなたは他の誰かに当たらなくてラッキーだったのだぞ!と一言言いたいという気持ちが込み上げてきました。
「これは私のルールではなく、この国の政府のルールです!そして私は日本人だ!」と大声で言うとその若者たちは沈黙…。
それを見ていた他の客達は笑いながらおかっぱに向かってGoodのハンドサインを送ってきました。
ロックダウン後の政府の方針によってパブの中を走り回る子供達はほぼ居なくなりましたが、大人に差し掛かったお年頃は難しいですね…。
へば、まんず!
(秋田弁: それでは、この辺で!)