おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

真夏の雪の結晶

英国のロックダウンが緩和されてからわずか4週間程で英国の一部の地域が再び規制の対象になりました。英国の北部のマンチェスター、ランカシャー、ウエストヨークシャーなどがその対象の地域のようです。

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この発表があった日は、おかっぱはパブでパートに出ており、仕事が終わって夜9時過ぎに店を出ようとしたところ、その日休みだったマネージャーがやって来て、たった今北部はロックダウンに突入すると発表があったと教えてくれました。英国はこんな時間にそんな大切な事を発表するのか…と呟くとマネージャーはすかさず、政府は何を考えているのか誰にも解らないと言っていました。

そのマネージャーはボリス・ジョンソン氏(以下、ボジョ氏とする)の政党は支持しないと投票前に公言していたのですが、英国全土がロックダウンに突入する時に彼の出した極めてシンプルで誰にもわかりやすい的確な指示によって少しだけボジョ氏を見直したように思われました。ボジョ氏がCovid 19に感染して危険な目にあった時には彼を激励するメッセージもSNS上にのせていました。

しかし、その後の解りにくい政府の方針に不満を漏らし始め、最近の感染症対策の更新にすっかり「ボジョ不支持派」に戻ったのでした。(ブリストル村の民はボリス・ジョンソン氏をボジョと呼ぶ人が多いのですが親しみを込めてなのか、あるいはただの略式なのかは不明です...)

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マネージャーがおかっぱに教えてくれた発表はボジョ氏ではなく、保険相のTwitterだったようで、その数時間後に政府からの発表と翌日の朝に追加の発表がニュースで放送されました。

思えば、ロックダウンが緩和される頃に不安な気持ちがあったおかっぱ…。全員が気をつけてこれまでと違う生活が出来ればいいのですが、いつも通りに戻ってしまったらせっかく耐えた3ヶ月と2週間が無駄になってしまうのではないかという不安です。ブリストル村ではありませんが、それは現実に起こっているようです。

 

おかっぱがよく会う友人たちはわりと年齢的にも落ち着いたお年頃ですので、この件によって久しぶりに会ったという理由で感激して飛びついて来るような人はほとんどいなくなりました。出歩いてロックダウン前とほとんど変わらない人々の様子を見かけるようなことがあると、あの3ヶ月がどうか無駄になりませんように…と心の中でいつも願ってしまうのです。

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そんな風に若干ぎこちない動きをしているおかっぱを見た周りの人々は、2ヶ月前の1万人集まったデモの後もブリストルは感染者が増えることはなかったのだから大丈夫だと笑います。神経質な人々のことをスノーフレーク(雪の結晶のように繊細)と呼びますが、おかっぱもこの件においては年の割にスノーフレークだと笑われました。主に若者の世代をスノーフレークジェネレーションと呼ぶようですが、最近の若者は…と年配者が言うのは日本でも英国でも共通ということでしょう。

 

しかし、このパンデミックの状況を考えてみると案外、大の大人こそがスノーフレークです。完全に立場は逆転です。パブで仲良くしてくれるお客達はほとんどが年配者なので結構な「スノーフレーク振り」です。

マスクをしてパブを訪れ、誰もいないガーデンの隅の方でおそるおそるマスクを外し、近づかないでくれというオーラを放ちながらひっそりと飲食を終えて帰っていく人々までいます。

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そこまで怯えなくても良いのでは…と思いつつも、その調子!一緒にブリストル村を守ろう!と彼らを心の中で励まし、「スノーフレーク同盟」を勝手に結ぶおかっぱです…。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)