おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

夢の中にも惨事

パブが開いてからさほど忙しい日はなく、お客もまばらな日が続いていました。数日間、天気が良くガーデンは久しぶりに少し活気がありました。

その日は昼の3時くらいまではほぼ閑散としていてガーデンを見守る役を与えられたおかっぱは仕事を探すのに一苦労でした。少しずつ子供連れの客がやって来て賑わい、食事を終えた客の皿を片付けたり空のグラスを集めたり、残り物の食べ物を狙ってやってくる鳥たちを追い払ったりジャングルジムで遊ぶ子供たちに6人までしか入れないので順番に遊びなさいと叫んだりしてやっと出番が来たとばかりに張り切っていました。

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しばらくすると学生のアルバイトの子がやって来て、休憩に行くから持ち場を見ていてくれるかと言うのでガーデンとキッチンをしばらく行き来していました。

 

あれこれ仕事を片付けている間に暑いな…とは思って居たのですが、記憶が曖昧になっていて、気がつくと大丈夫かと誰かの声が聞こえて水を持ってこいやら椅子を持ってこいなどの声が聞こえました。

どうも熱中症で床に転がっていたようです。どうやって椅子に座らされたのかわかりませんが、椅子に座ってプラスチックのカップに入った冷水を持たされ、頭に冷たいタオルがかけられていました。

こんな所に座っていたら邪魔だから外(バックグラウンド)に行くと言ったものの持っていたプラスチックのカップすら手が震えてちゃんと持てないという有り様です。大丈夫です!と言ったところで全く説得力がありません。

同僚に頼んで半分引きずられるように外へ出て、その間に休憩から戻ってきたアルバイトの学生が騒ぎに驚いて医療機関からの指示を得るために電話をかけたようです。同僚が体温計を持ってきておかっぱの体温を測定し、その体温を見て低すぎて死ぬんじゃないかと軽くパニックに…。

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仕事を終えて家族と食事をしていた同僚が噂を聞きつけてやってきて、コーラ持ってきて!と他の同僚に頼み、程なくしてコーラが到着しました。

コーラを与えられてしばらくするとアラ不思議、震えが止まり気分もだいぶ良くなりました。おそらく、脳が水分と糖分を欲していたのでしょう。

ところが、電話をかけた同僚が救急隊を派遣しますと言われたようで、ほぼ元通りに戻った頃に救急車両に乗った救急隊が到着…。

実はもう気分が悪くないのです…と言っているところにマネージャーが登場。さっきまで死にそうでした!と証言。

おかっぱは大袈裟な事になり、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。救急隊のチェックが始まり、血圧測定、体温測定、採血、心電図を採り、様々な質問がありました。アレルギーは?持病は?飲んでいる薬は?等々。

今日はお酒は飲みましたか?と聞かれた頃には、とても元気なのに大事になって穴があったら入りたいような気持ちでした。暑かったので、冷たいビールでも飲めたら良かったのですが…と言うと、救急隊員もようやく大したことなさそうだと思ったようで、この天気じゃ無理もないと笑っていました。

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かくしておかっぱのせいでガーデンの担当役は交代制となり、おかっぱは度々水を飲んだか、休憩したかと聞かれるようになりました。

 

元々暑さには弱いのですが、英国の暑さは大したことがないと思っていたのでこのような参事になるとは…。普段隙あらば消える学生のアルバイトはこの出来事以来、おかっぱを老人扱いするようになり、婆さんが死んだら困ると世話を焼くようになりました。

おかっぱは同僚にも常連客にも夢の中の住人(いつも楽しそう)と言われてこれまで暮らしていましたが、夢の中にも惨事は訪れると皆に恐怖を与えることになってしまったのでした。

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それほど健康に自信はないのでそこそこ気をつけているつもりですが、よる年波にはかないませんのでこれまで以上に健康には気をつけなくてはなりませんね…。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それではこの辺で!)