おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

大混乱のブリストル

日本ではそろそろコロナウイルスCOVID-19の話題にもみなさん飽きてきた頃なのかも知れませんが、イギリスはまだ混乱が始まったばかりです。

 

数週間前、ハンドソープ、殺菌ジェル、トイレットペーパーはスーパーから消えるだろうと言ったおかっぱは相方や友人や同僚に大爆笑されました。

まだ近くにウイルスが押し寄せているという危機感が誰にもありませんでした。

 

それから数週間、スーパーからじわじわと様々な物が減っていき、なくなりました。初めはパスタ、トマトの缶詰め、ビーンズ、ロングライフミルク…。最終的にはある物なら何でもいいとパニックになって買う人々が増えました。

 

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我が家には相方に高い米をたくさん買ってきたと少しだけ苦情を言われた「日本米」があり、おかっぱの計算上あと2ヶ月は絶対になくなる事はありません。

 

米があれば死ぬことはないと余裕のおかっぱをよそに相方は空っぽになっていく棚を見て不安にかられたようでパニック買いこそしないもののポツリポツリとパスタやら缶詰めやらを見つける度に買ってくるようになりました。

 

我が家には米があるので落ち着きなさいと相方をなだめ、食品の棚に何が入っているのかわからない程一杯になるのをどうにか食い止めようとしているおかっぱです。

 

確かに、この騒ぎは尋常ではなく小さい店は徐々に閉まり始め、おかっぱの職場も喘息もちのボスが自主的に店を閉める決断をしました。アルバイトをしているパブは政府の指示により昨日の夜から店を閉めることになったのでした。

 

このような騒ぎは前代未聞だそうです。

 

それでも未だにマスクをしていると笑われる事があり、意味が無いと丁寧に説明してくれる人もいます。

ニュースやNHSで指示される内容を見るとこのウイルスの恐ろしいところは基礎疾患のある人やお年寄りが感染すると生命の危険に晒されるのですが、若者や健康な人にとっては「ただの風邪」のように軽い症状で済んでしまうところなのかと思います。

全く症状がなく過ごす人もいるようで簡単に拡散されてしまい、結果高リスクの人々に渡ってしまうという部分が最も恐ろしい部分なのかと思います。

 

マスクはこの「自分には症状がないのにうつしてしまう」というリスクを下げることに有効と信じている日本人おかっぱです。

 

おかっぱは握手やハグなどをしばらくお断りしていますが、この騒ぎが深刻化してきてからようやく人々が賛同し始め、肘同士を重ねて握手の代わりにしたり、日本人の挨拶を真似しようと言ってお辞儀をする人などが出てきました。

 

ところが、この騒ぎになっても咳やくしゃみをした同僚やマネージャーに口うるさく手を洗えと命令するのは日本人おかっぱのみです。洗い終わるまで見届けてきちんと洗ってないと「もっと洗え」と言うので細かいやつだと笑われますが状況はそれくらい深刻なのではないかと思います。

 

パニックになってどうしようもない行動に出ることに関しては疑問がありますが、簡単な事で感染や菌の拡散が防げるのであればやらない理由はありません。

 

今日からイギリス人の社交の場であるパブが閉まり、おかっぱは同僚とパブの中の大掃除に1日を費やしました。

 

仕事が終わり、迎えに来た相方と一緒にスーパーに寄り道をしてビールでも買おうとしたところ不思議な現象がおこっていました。

パブがあれば家にビールがなくとも困る事はないと思っている人々がどれだけいたのかがスーパーの棚に表れていました。

 

それまで他のものは売り切れてもお酒がなくなる事はありませんでしたが、かなりの種類のお酒が売り切れていました。

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そして、ビールはほとんど残っていないのにコロナビールだけが山積みのままでした。

 

コロナビールには何の罪もないのに何故かコロナビールを避けるようにビールが売れたようでした。

コロナビールもウイルスの蔓延により人気が低迷したとあっては大迷惑です。

コロナビールが一体何をしたのだ…と不憫に思いつつ、ちょうど相方のお気に入りのビールも売り切れていましたし、コロナビールの不人気に逆らってコロナ達を買って「連れて」帰ったおかっぱと相方なのでした。

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この混乱が一体どれほど続くのか誰にもわかりません。イギリス人はパブが開いている限り行ってしまうと考えると学校を閉鎖させるよりよっぽど効果があるかもしれません。学校も閉鎖はされていますがやはりお年寄りから子供まで集まるパブの方が様々な世代にウイルスが行き届く条件が整っているように思います。

 

全てがロックダウン(閉鎖)されつつあるイギリスブリストル村。パブの馴染みのお客さんや行きつけのパブのみんなが無事にこの騒ぎを乗り越えてまた再会できる日はいつの事やら。

 

手を洗えと命令する日本人おかっぱがいなくてもみんな家でも手を洗ってくれますように…。

 

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(写真: 前回のブログに記録したロックンロール少年と傘の下で。友人宅の庭でギターを弾く少年とハーモニカを吹くおかっぱです。)

 

そして、混乱の中スーパーに品物が無くなることよりも、ロックンロール少年が無事に日本に帰れるのかが少し心配なおかっぱです。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、また!)