おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

ロックダウンの下で

23日の夜8時30分、首相の発表によりイギリス全土がロックダウンに入りました。

 

23日以前にも毎日最新情報が午後5時に更新され、人々はそれに従った行動をする事になっていました。

23日の首相の発表は会議のためにいつもより少し遅い時間に始まりました。8時半になると予告通りテレビにボリス・ジョンソン首相が登場しました。

 

「今夜から、英国民に対し非常にシンプルな指示を出す。国民は家にとどまらなければならない。」

 

生活必需品(食料など)の買い物、治療上の理由、1日1回の運動、社会のキーとなる仕事のための通勤を除き、外出が禁止されました。

公共の場所で2人を超える集まりも禁止され、生活に不可欠なものを売る店舗以外はすべて閉鎖する要請です。

違反すれば罰則の対象になりますし、警察は違反者を取り締まることができるという内容でした。

違反金は現在のところ30ポンドです。

 

おかっぱの職場は2ヶ所とも閉鎖の対象となりました。

 

数日前にパブやカフェを閉鎖する段階で失業者が増えると見込んだ英国政府は従業員を維持した企業に給与の80パーセントを支払うという発表がありました。

おかっぱがアルバイトをしているパブはその発表の前から過去12週間の平均給与を算出して全額支払う予定という通達がされました。仕事に行かないのにお金が支払われるとなっては何か気分が悪く、パブの掃除や壁の塗り替え準備などに行っていましたがロックダウンに入ってからはそれも不可能となりました。

 

おかっぱの働いているパブの仲間や上司はファミリーのような結束感があり、ロックダウンの下、少し鬱になりそうな人々をみんなで支えて励まし合ったり冗談をメッセージで送り合ったりしています。

 

上司の1人がパブが閉鎖されて来れなくなった常連客のために1日1人(1組)限定でテーブルをセットして写真を撮り、SNSに投稿をするという企画を始めました。

その常連客の好みの飲み物とグラスを置き、写真を撮ってあなたのための席はパブが開いた時のためにリザーブされていますというメッセージが添えられます。バーチャル予約席です。みんなパブが閉まってもパブのファミリーとして迎えられているような気分になっている様子です。

 

イギリス全土で学校が閉鎖され、子供たちは窓に自分で描いた虹を貼っています。レインボートレイルと呼ばれているこの運動は「希望を広める」ために全国の子供達が行っている運動のようです。

おかっぱも子供ではありませんがこの活動に賛同しようと虹を描きました。

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A perfect circle ©2020 Nanashinookappa

 

秋田村は残念なことに自殺率が非常に高く、背景には日照時間の短さがあると思います。イギリスも同じく日照時間の短い国ですが、秋田村と違うのはひたすら黙々と春を待つのではなく暗い世の中を明るくしようというアイディアをシェアする人が現れるとそれに賛同する人がこぞってアクションを起こして行くことなのかも知れません。

 

このロックダウンのおかげで同僚たちは普段以上に私生活の断片をシェアするようになり、声を掛け合い乗り越えていこうとしています。

 

もし誰か落ち込んでいたら、私はいつでもここにいます!電話やメッセージをください!そんなメッセージが毎日のように行き交います。

 

秋田村の自殺率は以前ほどではなくなったと聞いたことがありますが、イギリスのように「あなたは1人ではありません!」と皆が言い合う風潮は秋田村全土に取り入れられたらいいのにな…と思います。

ロックダウンに至ったのはこの人と人との距離の近さや危機感の欠如も原因のひとつかとは思いますが暗い世の中を明るくする意識は積極的に見習いたいものです。

 

へば、まんず!

(それでは、この辺で!)