おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

締切

しばらく続いた英国のロックダウンもついに終わりが見えてきました。来週からは徐々に日常に戻る準備が始まります。アルバイト先のパブのマネージャーからも、最後の週を楽しんで!とメッセージが届きました。

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おかっぱはついに日常に戻れる嬉しさもそこそこに際限なく続くようにさえ思われたこのロックダウンでうっかり買い込んだ本がまだ読み終わらず、妙な焦りを感じていました。英国に引っ越してからは日本語の本を読みたい時は電子書籍を購入しています。日本で所持していた本はほとんど友人、知人に譲ってきました。何度も気に入って読んでいた本は線が引かれていたり空白がメモのように使われてボロボロになっていたため、譲れずに処分したものもあります。

 

英国で購入した紙の本は英語の本でこれが日本語の本と比べると進みが悪く、締切が迫っていますと言わんばかりに鎮座していたのです。

 

読み終わる前に別の本に手をつけ、何冊かを同時進行で読むのでそんな事になってしまうのでしょう。本来であれば読書に締切などというものはないのですが、ロックダウンの間に読もうと思った本なのでなんとなく焦ってしまったのかと思います。

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本を旅に例えると前書きあたりが旅の準備で最後の1ページはその非日常から通常通りに戻るという意味で空港で帰りの飛行機に乗るところでしょうか…。

おかっぱが同時進行で本を読み始めるのは旅のプランを突然変更して旅の途中にプランにない他の場所に行ってしまう感じかと思われます。旅行ならば時間も限られていますし突然プランを変更したとしても大幅な変更はなかなか難しいのですが、本ならどこまで行っても何ヶ国を跨いでも大した問題ではありません。

しかし、今回はロックダウンという限られた時間に読もうという制限をかけて集めた本ですからこのように焦りが出始めたということでしょう。

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思ったよりも進みが悪かったのは旅の途中に母国語ではない旅に手をつけてしまったり、同じ本を何度も読んでしまって一箇所の滞在時間が長くなってしまったためでしょう。

 

あと半日の間に全て読み終わるとは到底思えず、日常生活をしながら読書の旅を続ける一択です。締切りなどとつまらない事を考えるとせっかくの本も台無しだ!と無理矢理気持ちの整理を取り付け、またのんびりと旅に出ることにしました。

 

昔は読書が好きで本を開く度に違う世界がそこに待っていると思うとワクワクして仕方なかったのですが、行きたければどこにでも行けてしまうと思うようになってしまって読書の楽しさを忘れてしまっていたような気がします。

せっかくこのロックダウンが読書の旅の楽しさを思い出させてくれたのに、締切りなんてとんでもない案を思いついてしまうとは全くもって情けない…。

 

約3ヶ月もの間、良くも悪くも非日常を味わうこととなり、本の最後の1ページを読むような気持ちです。この3ヶ月の旅を思い出し、次の日常という旅が楽しみで仕方ありません。

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最後まで再開が検討されていたパブも7月4日に制限付きで再開される見込みです。アメリカの独立記念日ですが、みんな大好きなパブが開く日とあっては、英国の人々の心の中にもこの日が日常に戻った記念日として刻まれそうな気がします。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それではこの辺で!)