おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

古い桟橋にて

英国では再びパンデミックの影響で政府の方針が日々更新されています。そんな中わざわざ遠くに行くのも気が乗らず、必要のない休日を取ったおかっぱはその気になれば散策を含めても数時間でブリストル村へ帰って来れる範囲を探検する事にしたのでした。

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ポーティスヘッドに続いて訪れたのはウエストンスーパーメアです。こちらもポーティスヘッドと同じく湾です。範囲は狭いのですが砂浜があるためか、ブリストル村の人々は海の雰囲気を味わえる1番近い場所としてよく訪れるようです。

おかっぱは砂浜よりも岩が波に洗われて削れた岩の隙間にできた水溜まりなどに興味があり、気がつくと人気のない方向へと進んでいたのでした。

しばらく海沿いの岩場を歩くと、古い桟橋に到着しました。夏くらいにバンクシーではないかと思われるグラフィティがウエストンスーパーメアに出現したとローカルの情報を発信するサイトで読んだのを思い出しました。その桟橋はまさにそのグラフィティが出現した場所だったようです。

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バンクシー本人による確認はされていないようですが、早々に外されたようで既になくなっていました。

ウエストンスーパーメアはバンクシーがプロデュースしたテーマパーク、ディズマランドのあった場所ですし、バンクシーが出現しても不思議ではありません。バンクシーに人生を救われたと公言しているグラフィティアーティスト、JPSはウエストンスーパーメアの出身だそうです。

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町にはそこらじゅうにJPSのグラフィティがあります。町をあげて保護しているのでしょうか。ブリストル村のバンクシーはバンダライズされ元の状態で残っているものは少ないのですが、JPSのグラフィティは周りに落書きはあれど、上書きされている様子は全くありませんでした。
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そもそも壁に絵を描く事自体が本来であればバンダライズに値する行為ですから、ウエストンスーパーメアでは、JPSのグラフィティは本来のグラフィティという形態ではないのかも知れません。

ウエストンスーパーメアには新しい桟橋もあり、その建物の中はゲームセンターのようになっています。おかっぱは以前中を見て、ドジェム(ミニカーのような乗り物で周りの車とぶつかり合って遊ぶもの)に乗って大変満足し、今回は近づきもしませんでした。おそらくそういったアトラクションは現在は閉鎖されているのではないかと思います。

古い桟橋にはもう入ることができないのですが、すっかり廃墟のようになっていて、外から眺めるとなかなか味のある景色です。立ち入り禁止とは言え、崩壊の危険のある建造物を歴史の保護という名目で残してあるのはまたしても英国的という気がしてしまいます。

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このまま補修されずにいたら勝手に崩壊してなくなるのではないかと思うほど古い建造物です。

冷たい風が吹き付け、天気もどんよりとしていて、なんとなく冬の日本海に通じるような海辺です。廃墟のような桟橋がその、もの悲しく美しい景色を完成させているような気がします。

 

これからやってくる冬はCovid 19の影響で英国の人々にとっては厳しい冬になりそうですが、秋田村からやって来たおかっぱは、長く暗い冬くらいきっと今年も大丈夫だろうと思ってしまうのです。

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それでも秋田村の遺伝子はきっとこの冬も天気について度々不満を漏らしたり、または晴れ間に出た虹やチラチラと降る雪で大喜びしたりさせるのでしょう。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)