おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

静かな海辺

30度を超えて夏日が続いた先週の初めとは打って変わって、気分屋の英国の空が本領を発揮しています。

夏日にはビーチに人々が殺到して大混雑だった模様です。おそらくおかっぱが町を散歩して人混みを避けようとした日も混雑していたのでしょう。

 

相方が少し遠出をしてみようと言うので行先もわからないまま車に乗せられ日帰りの旅へと向かったのでした。たどり着いた場所はドーセットでした。

 

ブリストル村を出発した午前中は気温は25度を超え、悪くないお天気でした。南へ向かう途中、天気はみるみる下り坂となり、いつもの英国の空が戻ってきました。
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ドーセットに着いたあたりには気温は20度を切り、海辺で営業しているアイスクリーム屋には誰も寄り付かず、ビーチにチラホラといる人々は厚手のコートを着てフードを被っていました。

 

相方は今日は天気が悪くなるからコートを持っていきなさいと言っていましたが、連日の夏日で持ち歩いたコートを使う機会がなく、ただ荷物を増やして持ち歩いただけに終わっていたため、おかっぱは相方の忠告を無視して薄手の上着だけを持って出かけました。
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海辺に着くと海風が吹き付け、夏日などほんの数日しかなかった昨年の夏を思い出したのでした。

 

そうだった…。

この天気こそが英国の裏切らない天気だった…。

 

ただし、雪国育ちのおかっぱがそのくらいの天気で怯むはずはなく、石が敷き詰められたビーチを裸足で歩き回り、波に洗われて角が取れた石の感触をしばらく堪能していました。

確かに、周りを見渡せばダウンジャケットにしっかりと身を包み、釣りをしているような人々しかいませんでした。海はまるで冬の日本海のような荒波です。天気の良い日はもっと穏やかなのでしょうか…。

 

ビーチといえば砂浜というイメージしかないおかっぱは石ばかりのそのビーチが大変気に入って、長旅の末ビーチにたどり着いたであろう石を想像して感動していました。

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ビーチを出て車に乗り込み、ハーバーへ向かうとハーバーマスターという港の平和を守る警察のような役目の人々のオフィスがありました。ブリストル村のハーバーもハーバーマスターが取り締まりを行っており、先日は複数でボートに乗る人々を止めて職務質問をしている様子をハーバーサイドで眺めました。

ブリストル村は海から少し距離があるため、基本的にハーバーは川です。付近にいる鳥たちもドーセットのハーバーに集まる鳥たちと少し種類が違うようです。おかっぱが生まれ育った町にも川があるのですが、流れがわりと激しいのでブリストル村のようにボートに乗って楽しむ人々はいません。子供の頃は川で泳いだりしましたが、最近では川で泳ぐ子供たちを見かけることもなくなりました。

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ブリストル村のハーバーとドーセットのハーバーは水は海水と淡水で違うものの、なんとなく同じ国のハーバーという共通の雰囲気があります。天気の優れない日のビーチやハーバーもなかなか静かでいいものです。

 

夏至が過ぎ、これから徐々に日が短くなっていきます。今年はパンデミックの影響で前半は過酷でしたが、残りの夏は少しくらい平和なホリデーのような日があってもいいのではないかしら…。

ロックダウンが始まって晴れ続けた日々よりも、このどんよりしたお天気の方がいつもの英国らしく、不思議とやっと日常に戻って行くような安堵感はあったのですが…。

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こんな天気じゃ海辺の散歩なんて気分じゃないと相方はがっかりしてブリストル村へ早々に引き上げ、ブリストル村に到着した途端にまた青空が広がりました。

それもまた、通常通り…。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)