おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

112日後の不安

明日(日付けが変わって今日、7月4日)から英国全土でパブの営業が許可されます。今日はおかっぱもアルバイト先のパブへ行って来ました。

英国がロックダウンに突入してから112日目です。パブはロックダウンに突入する前に閉店するように英国政府から要請がありました。ロックダウンが始まるまではパブを閉じる準備や大掃除をしていたため、正式にパブに行けなくなってから112日目という事になります。

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割とお気楽な性格のおかっぱですが、実は今か今かとパブに呼ばれる日を待っている間になんだか妙に不安になってきていたのでした。

パブに到着すると先日電話で話したマネージャーがハイテンションで迎えてくれました。

元気にしていたかと聞かれ、元気だけれども、実はここ数日なぜかとてもナーバスな気分だったと正直に言うと、彼女は大爆笑しながら、彼女の3ヶ月ぶりに出勤した日の事をおかっぱに話してくれました。彼女はおかっぱよりも重症だったようで、初日はあまりの緊張に手が震えて他のマネージャーが近くに来ると飛び退けたり、それ以上近づくなと言ったりして他のマネージャーに落ち着くように言われたのだそうです。数日経ってようやく徐々にペースを取り戻したそうで、今日おかっぱに会った時にはいつも通り元気な様子でした。

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思えばロックダウンが始まる直前にかなり神経質になり、鬱になるのではなかろうかと心配するような発言を最初にし始めたのはその彼女でした。普段は肝っ玉母ちゃんのような元気いっぱいの彼女ですが、今回の事はかなり堪えたようです。ロックダウンの初めの1ヶ月は本当に家から1歩も出ずにスーパーさえも行かなかったそうです。ロックダウンが緩和されてパートナーが訪ねてきても庭にも入れずに窓越しに面会したと言うので相当です。

おかっぱは、ロックダウン前には大袈裟だと笑われていたマスクも普通の装備品に変わり、30分毎に手を洗ったりこまめに殺菌ジェルを手に塗り込むことが義務化されていてこれでもう手を洗えと同僚に叫ばなくても良くなったという安心感はありました。ただ、おかっぱが不安になっていたのは、どうもそのマネージャーのものとは違うようでした。

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他の同僚たちと話す間に、同僚の叔父さんで度々お店にやってきて、おかっぱと好きな音楽の話をよくしていた方が亡くなったと聞きました…。その他にも親戚でウイルスの感染によって亡くなった人がいる同僚が何人かいました。

 

ただ、それだけではなく、感染したけれども回復したという人もたくさんいるようです。中でも常連客とスーパーで会ったという同僚は、その常連客が入院して生死をさまようところまで悪化したものの、奇跡的に回復したと聞いたそうです。すっかり元気そうだったと話してくれたのには涙が出そうになりました。

 

ブリストルは英国の南西部に位置し、英国の中では感染者が1番少ないとされている地域です。臨時の野戦病院も開くことなく閉じる準備をしていて、病院勤めの知り合いもベットは常に余裕があるとSNSで発信していたので皆無事に会えるに違いないと無意識で自分に言い聞かせていたのです…。おかっぱがここのところじわじわと感じていた不安とは、全員と無事に会えるのだろうか…という事だったのだと同僚と話している間に気が付きました。

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おかっぱが働くパブが開くのは来週の月曜日です。おかっぱは普段通りの常連客と会うまでまだこの気持ちは解消されそうにありません。

 

どうか、どうか、他の人々とは全員無事で会えますように…!

 

へば、まんず。

(秋田弁: それでは、この辺で。)