おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

サニーアフタヌーン

6月に入り夏も本気を出し始めました。現在、ブリストル村の日没は9時過ぎくらいです。暑さが苦手なおかっぱですが昨年の夏はさほど暑くなく、暑いと感じたのはギリシャに行った約1週間の間くらいでした。それでも日陰に入ればわりと涼しく、日没後は肌寒いくらいの気温になりました。

 

暑さが苦手なおかっぱは太陽の下でキラキラ輝くようなサマーソングはあまり聞きたいという気分になることがありません。

The KinksのSunny Afternoonはおかっぱの好きな曲の1つです。明るいキラキラと輝く夏をイメージするのはタイトルだけで、サマータイムだ!夏だ!ビーチだ!と浮かれる気分とはかけ離れた曲調です。

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歌詞も税務署に何もかも持っていかれる所から始まっていますし、解釈の仕方は様々かとは思いますが裕福な人を風刺した内容かと思います。

 

おかっぱと相方がお気に入りの近所のパブ(現在閉鎖中)にはジュークボックスがあり、常連客のおじさんはおかっぱの好きなこの曲をたまに流してくれます。彼の選曲はほぼ毎回同じなのですが、彼は推定年齢は60代後半でおそらく若い時にヒットした曲が未だに色褪せないのでしょう。

おかっぱの好きなこの「サマーソング」も1966年の発売でおかっぱが生まれるだいぶ前にこの世に生まれ、おじさんから見たら若造のおかっぱにも親しまれているわけですから納得です。

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パブが閉まってから英国はロックダウンに突入し、それから2ヶ月以上、ブリストル村は不気味なくらいの晴天が続いています。おかっぱがアルバイトをするパブはあと1ヶ月ほどで再開する予定です。ただし、今まで通りの営業は当分難しいでしょう。

おかっぱ達が気に入っているパブは地下にありガーデンもないため、もう少し後の再開予定のようです。

 

さて、The Kinks の Sunny Afternoonの歌詞に登場する男は豪邸だけを残されてどこにも行くことが許されず、晴れた夏の午後だけがそこにあるという設定です。

英国全土で自由な行動が制限されている現在、税務署に全てを奪われたわけでも一緒に過ごす相方が実家に帰ったわけでもないのにこの歌詞に描かれている男の気分がまぁまぁ味わえる貴重な体験と言えるのかも知れません。

おかっぱはこの男のように空っぽにされるような豪邸も奪われるヨットも所持していませんし、この男ほどの訴えもないのですが…。

この男からは、全てを奪われて何もかもなくなってしまった虚しさが感じられるのですが、おかっぱの周りにいるブリストル村の民からもパブを奪われ、自由を奪われ、「空虚」とも呼べる何かが感じられるようになってきました。

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それでもまだ身近なところで感染者が出ている現状と高リスクの家族がいる身としては慎重に考えてしまいます。マスクを着用して少しずつ行動範囲を広げていますが時々近くにお年寄りがやってくるとヒヤっとするのです。万が一自分が症状もなく感染していたらと思うと後ずさりしてしまいます…。

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もし英国の暗い冬にこのパンデミックの時期が重なっていたとしたら人々は鬱になっていたのではないかと思いますが、この晴れ渡る夏空が人々の心の奥底までも照らしてパンデミックなどなかったかのように忘れ去られてしまうのではないかと思うと何とも言い難い気持ちになるのです。

このサニーアフタヌーンが何もかも台無しにしてしまうような事がありませんように…。

全員無事にまたいつものように会えますように…。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)