デイトリッパーズ、コッツウォルズへ…
どうも、おばんでございます。
(秋田弁: どうも、こんばんは。)
デイトリッパーと言えば、イギリスを代表するバンド、ビートルズ中期の有名な曲の1つですが、そのデイトリッパーとは無関係の日帰り旅行の記録をしたいと思います。
デイトリッパー(日帰り旅行者)おかっぱとその相方、2人合わせてデイトリッパーズは急遽バレンタインデーの朝に結成される運びとなりました。
おらだ、デイトリッパーズ。
(秋田弁: 私たち、デイトリッパーズ)
おかっぱの仕事が突然休みになりました。
相方は珍しく有給消化の連休を取っており、おかっぱが仕事に行っている間にプレゼントでも用意しようと気楽に構えていたようですが突然与えられた休日に為す術もなく、与えられたチョコレートを頬張りながら思い出をプレゼントしようと思い立ったようです。
どこに行くのか知らされることの無いまま車に乗せられ、行先不明のデイトリッパーおかっぱを乗せたもう1人のデイトリッパー相方が運転します。
高速道路に乗り込み、途中まではロンドンの方向へ向かっておりました。
隣町バースの付近を通りかかったあたりで、おかっぱは思い出したのです。おかっぱと相方に良くしてくれるおばちゃんがコッツウォルズのボートンオンザウォーターが美しいのでおかっぱを連れていきなさいと相方に言っていた事があったのを。
行先はコッツウォルズに違いない!
そして我々デイトリッパーズが到着したのはやはりコッツウォルズにあるBiburyでした。
Biburyに到着して美しい湖がある!と盛り上がったおかっぱでしたがどうも様子が違いました。
どうやらニジマスの養殖場のようでした。ニジマスの養殖場と知って湖よりも舞い上がったおかっぱはニジマスに餌をやる体験の張り紙に完全に心が奪われました。
約半日しか観光の時間はないのに早速観光客相手のトラップにかかり始めたと気づいた相方はおかっぱの興味を他のところへ移そうとし始めました。
旅行に行くとおかっぱが必ず買う観光客向けのポストカードに誘導。
そして、「日本語が聞こえる!」と言い始めたのです。
確かに耳をすませば日本語が聞こえるではありませんか。
ポストカードを手にしてレジへ向かうとお会計をしようとしているアジア系の女性が10ポンド札を取り出し、何やら手間取っていました。
レジの女性は何度か金額を伝えていますがどうも通じていないような雰囲気でした。
ポストカードを選びながら日本語を感じていたおかっぱは、咄嗟に「13ポンドですね」とその女性に言うと女性は小銭を全て取り出しておかっぱに差し出しました。
その中から3ボンドを取り出し、女性が手にしていた10ポンド札の上に置くと女性は小銭がたまっていたそうで、助かりましたと丁寧にお礼を言ってお店を後にしたのでした。
おかっぱもブリストル村の生活で初めの頃は小銭が上手く使いこなせず溜まる度に行きつけのパブで小銭を数えてお店の人が忍耐強く数え終わるのを待ってくれたことを思い出しました。
その女性は1年5ヶ月前のおかっぱの姿であると思うと何となくその時に世話を焼いてくれた周りの人に恩返しでもしたような素敵な気分になったのでした。
この出来事ですっかりニジマスの餌付けの事は忘れ、コッツウォルズには何があるのかに興味が移り始めました。
まず、コッツウォルズには日本語があると知ったおかっぱ。お店の案内にも日本語が度々書かれていました。
お店の出口の扉にもPUSHと表示してある横に紙が貼ってあり、「プッシュ」と書いてありました。
美しい景色については当たり前すぎる陳腐な表現しかできなそうですので写真を多めに並べておきたいと思います。
川沿いの景色をしばし堪能した後、次の行先Bourton on the waterへ向かったデイトリッパーズ。
Biburyよりは少し大きな村のようです。
車を停めて村の中央へ向かって川沿いを歩いていると相方がカードを拾いました。
川沿いに落ちていたのです。銀行のデビットカードでした。デビットカードは最近コンタクトレスの機能が搭載されており、カード読み取りの機器にかざすと一定額以下であれば暗証番号なしで買い物が出来てしまうという大変な品物です。
紛失したと気がついていたら持ち主はさぞ困っているでしょう。デイトリッパーズももちろん他人のカードを持ち歩きたくはないので観光案内所へ向かう事にしたのでした。
観光案内所でカードを拾った旨を伝えたところ、Bourton on the waterに警察署はなくなってしまったそうで、観光案内所の方が警察や銀行に連絡してくださる事になりました。
Bourton on the waterの村を流れる川は水深が浅いようで車で川を横断することが出来る場所もありました。川と共に生きている村という雰囲気です。
大衆パブでランチをしてしばし水辺の散歩を楽しみ、天気が何だか薄暗くあやしい雰囲気になってきたのでブリストル村へ帰る方向へ向かう事になりました。
途中でBurfordに寄り、駐車場に車を停めると出迎えてくれたのは謎の水鳥でした。
その水鳥、とても大きく、ただものでは無い雰囲気を纏っています。
おかっぱは無類の動物好きでこの初めて見る鳥とお近付きになりたいと思い、近づいてみると何だか睨みつけられて「来るな」と念力を送られているような気がしてあろう事か、足がすくんだおかっぱなのでした。
しばらく鳥に近づこうと周りをウロウロしましたが、子供の時に祖父が飼っていた七面鳥にエサをやりに行って顔を思い切りつつかれて出血した記憶を取り戻し、その鳥にお近付きになるのは諦めて村へと出かけて行きました。
今回は行かなかったコッツウォルズにある、Lacockという村はハリーポッターの撮影に使われたということで有名な村ですが、Burfordの土産物屋の前にもハリーポッターの箱が並べられてありました。
それらを見てから通り過ぎた古道具のショーウィンドウに置かれている箒が魔女の箒に見えて仕方ありませんでした。
ギャラリーも多いBurfordの村でフラフラとギャラリーに入っては村の大通りを散歩しました。
定番の土産物屋が続きます。
土産物屋では観光ポストカードを毎度買うおかっぱですが、不思議なことに、土産物屋に並ぶ品々はポストカード以外はあまり心が惹かれないおかっぱ…。
見ている分には楽しいのですが。
ここまで来て先の2つの村と違ったのは日本語が全く聞こえなくなってしまったということです。
観光バスのツアーの時間とずれたのでしょうか。
何だか旅の終わりを感じて少し寂しく思いながら駐車場へ向かいました。
例のコワモテの鳥は相変わらず川辺にいましたが暖を取っているようでした。
ようやくドキドキしながらも近くへ寄ることができて満足したおかっぱでした。
帽子を被ったような鴨もコワモテの近くにいました。
Burfordの村はスペシャルな鳥たちの憩いの場という印象が残ったおかっぱでした。
さて、おかっぱと相方、デイトリッパーズはさらに他の村もそのうち見に来ようと心に決め、帰宅ラッシュにに巻き込まれながら帰路につきました。
我が家まで直線距離にしてあとわずか100メートル、隣のストリートに入ったところで事件が起こりました。
前方からバンが現れ、前に停車した車のブレーキライトが消えました。
まずい!と思ったおかっぱは相方に前方を指さして知らせ、相方もクラクションを鳴らしましたが時すでに遅し。
前の車がバックでデイトリッパーズが乗る車のフロントに突っ込んできました。
車以外はケガもなく車もそれ程大きなダメージもありませんでした。幸い、相手のドライバーも誠実な方だったため大事には至りませんでした。
高速道路を降りてブリストル村の入口に差し掛かった頃には運転手ではないおかっぱはもう既に帰宅した気分になっていてジョイ・ディヴィジョンやらレディオヘッドやらの暗い音楽を流し、口ずさみ、いつものペースに戻しつつ旅を締めようとしていました。
最後の最後で「家に着くまでが遠足」という言葉を思い出したデイトリッパーおかっぱ…。
まだ今年はどこかへ遠出する予定は立てておりませんが、気まぐれなイギリスのお天気のように気まぐれでデイトリッパーズが再結成されるかも知れません。
へば、まんず!
(それではこの辺で!)