自然に教わること
世界中がウイルスによる混乱に飲み込まれ、英国もブリストル村もすっかりその流れに乗ってしまいました。
とは言えども英国は大陸の他の国よりは規制が甘いのかもしれません。
1日1回は散歩に出て日光を浴びることができます。いつもより警察官も多く見かけますが、会っても挨拶はしてくれるものの職務質問をされた事はまだありません。
昔から夜の住人であると自負しているおかっぱですが自然の光の中で見えるものの美しさは格別です。おかっぱは若い時にペット不可という物件に住みついており、その生活は長らく動物と暮らすことに慣れていたおかっぱにとっては何とも言い難い不自然さがありました。
ある時に縁あってカメレオンを飼うことになりました。カメレオンはペット不可の物件においてもペットというカテゴリーとして扱われないようで大家さんにも承認されることになりました。おそらく、妙なものを好む住人とは思われていたと思います。
そのカメレオンとの生活はおかっぱに様々なものを与えてくれました。カメレオンは日光が必要な生き物で朝にまず光を当てるところから1日がスタートします。
夜の住人と自負しているおかっぱもカメレオンの為とあっては、朝方に就寝しようとも朝にキッチリ起きなくてはなりません。
そこで朝が苦手な夜型人間でも多少は朝型の人々に時間を合わせる事が可能ということに気が付きました。朝型人間ばかりが持て囃されて不遇であると思っていたおかっぱでしたが物は考え様です。
合わせられるとはなかなかフレキシブルでお得な性質です。その性質があって時差のかなりある場所に行ってもそれ程つらい思いをする事はありません。
苦手な朝でも光を浴びさえすれば少しずつ目が覚めるというものです。継続するにはおよそ1ヶ月ほどの調整期間があれば朝型の人々と同じように朝から元気に活動出来ないこともありません。
カメレオンは日光を浴びないと骨が脆くなるのだそうで、天気の良い日などは肩に乗せてベランダへ出て自然の光を浴びさせたりもしました。
人間も光を浴びるとカルシウムを吸収しやすくなるそうで陽の光に苦手意識を持っていたおかっぱはカメレオンに人間らしい生活を教えられたのだと思います。
太陽の光なしではこの美しい世界も見ることができません。
それでもやはり時々まぶしく感じて散歩中も直射日光の下では若干怯むのですが…。
今、森にはワイルドガーリックやブルーベルの花が咲いています。
今年はブルーベルフィールドは見られないかと思っていたら案外近くにもあるものです。
このロックダウンはいつもは徒歩で行かないような場所へもおかっぱを連れて行き、カメレオンが教えてくれたように人間の機能を呼び戻す時間を与えてくれました。
そろそろ自宅で仕事をしていない同僚は退屈すぎて滅入ってきたようではありますが、おかっぱは普段はしない事もするようになってしまい、おまけに自宅でする仕事も言い逃れの出来ない状況になり、何だか慌ただしくも感じるのでした。
へば、また!
(秋田弁: それでは、また!)