おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

ペニー現る

おかっぱのアルバイト先のパブを訪れるのはお客だけではありません。ガーデンで食事をする人々のおこぼれを狙ったシーガル達も常連です。地元の人々はシーガルと呼びますが、ブリストルには海はないのでシーガル(カモメ)ではなく、本来ならばシティーガル(街にいるカモメの一種)なのかと思います。

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ブリストルは港町ですが、海からは少し距離があり、1番近い海沿いは海というよりは湾です。

海からは離れているのですが、川がある影響か水鳥たちはそこらじゅうにいて、シーガルと呼ばれるその水鳥たちがおかっぱが働くパブにもやって来るのです。おかっぱが特に好きな小鳥たち(ブラックバード、ロビン、マグパイなど)はあまり人間が多くいる場所には近づきません。

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すっきりと晴れた日が続いた先週はガーデンで食事をするお客がたくさんいました。パブの屋根や街頭の支柱などにお客が残した食べ物を頂こうとシーガルたちが待機していました。パブが再開されてからほぼ毎日ガーデンに来るシーガルの子どもはガーデンに降りてお客の足元をウロウロしていました。

他の大人のシーガル達は人間にそこまで接近しないのですが、シーガルの子は恐れを知らず、ウエイトレスが持っている皿から食べ物をさらったり人々が着席しているテーブルに堂々と着陸するようになってきたのです。

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そのシーガルの子は休憩中にバックヤードで弁当を食べていると必ず周りをウロウロするため、視線を感じて非常に食べにくいのです。おかっぱは周りにあれこれと置き、砦を築き、手でブロックしながら弁当を食べます…。

ある日、そのシーガルの子が店の入り口から店に堂々と入ろうとする所をマネージャーが手を叩いて追い払う場面を目撃しました。最近、彼は自信をつけてきて困ったものだとぼやいていました。

彼?!彼女ではないのか?とマネージャーに言うと、そのマネージャーはジェイクウォンとそのシーガルの子を呼んでいると言いました。

すると、その会話を聞いていた同僚が、彼女はペニーだと言い張るではないですか…。

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おかっぱはそれを聞いてすっかりそのシーガルをペニーと呼ぶことに決めてしまいました。ジェイクウォンは呼びにくいですし、一体どんな綴りなのかも謎です…。そして性別はわかりませんが何となくメスのような気がします。

 

ペニーが現れるとガーデンは厳戒態勢です。全てのテーブルを周り、食べ物をなるべく目の前に置いておくように言って回ります。それを半信半疑で笑いながら聞いていた客がその数分後に「あなたの言うことは本当だったよ!バーガーを盗まれた!」と言いながら店に入って来たことがありました。

 

日に日にペニーの大胆さは増していくばかりです。盗まれた食べ物をまた調理する事が数回続いた時にキッチンのマネージャーが辛いソースをかけた食べ物をガーデンに置いてみたらどうかと提案…。人間が食べるものは辛くてまずいと思えばガーデンで「狩り」をしなくなるのではないかという提案でした。

困ってはいるものの、さすがに自然界の生き物ですし、まずいで済めばいいけれど身体を壊したらかわいそうだとその提案は却下されました。

 

日々、自信をつけていくペニーから食べ物を守る良い作戦がうまれるのが先か、夏が過ぎ、ガーデンを利用する人々が減るのが先か…。

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ペニーの大胆な行動には日々悩まされつつも、今週は天気の悪い日が続きペニーは現れず…。ペニーが来ない日は、今日はどこにいるのか…何か悪いものでも食べて具合を悪くしたのではないか…と少し心配になってしまうおかっぱです。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)