狭い世の中
どうも、こんにちは。
秋田村からブリストル村へ引っ越して約1年と3ヶ月。わりと大きな都市であるブリストルを村と言いたくなる理由があります。
狭い世の中だなぁ…と思う人との出会いが重なります。知り合った人と話しているうちに共通の友達がいたり、街でたまたま話した人が友達の友達だったり。知り合いになった人が友達の家族だったりとまるで秋田のようにに狭い世界だと思うことが度々あります。
おかっぱのブリストルで初めての職場であるパブで仲良くなった中年夫婦がいます(以前もこのブログで少し触れた不眠症の奥さんのいるご夫婦です)。
彼らは旅行好きでヨーロッパよりもアジア方面へ行くのが好きなのでとってもアジア人に見えるおかっぱに興味をもって話しかけてくれたのが始まりでした。もう1年以上前のことです。
仕事が終わると「まぁまぁ、ここに座りなさいよ。」と言ってビールをご馳走してくれたり、お互いに旅行の話をしたり、おかっぱがよくわからないイギリスの謎の文化の話をすると喜んで教えてくれたりしました。
このご夫婦は面白いご夫婦で、この2人と話しているうちに最初は意味がわからなかったブリストルの人々のユーモアがだんだん面白くなってきたのでした。(おそらくおかっぱが面白いと思うポイントはローカルの人々と違うとは思いますが…。)
以前、この2人はロンドンに住んでいた際にアメリカ人のご夫婦と交流があったそうで、アメリカ人夫婦の奥さんが留守の時に旦那さんの方だけ誘って3人で飲みに出かけたのだそうです。
ブリストリアン2人にブラックユーモアをたっぷり浴びせらせたアメリカ人はどうやら全く面白くない上に不愉快だったようで、後日それを聞いたアメリカ人の奥さんが2人の元に怒鳴り込んできたのだそうです。
ジョークが全く通じなかったようです。
その夫婦はもちろんジョークでしかそのような事を言いませんし、その時はジョークに対してそんなに怒ってる人を見る事が滅多にないのですごく面白くなってしまい、笑ってしまったのだそう。そして当然の如くまたその奥さんの逆鱗に触れたのだそうです。
ブリストルの人々のジョークのパターンの一つでよくあるのが、正反対の事を発言するという事なのですが、これがおかっぱにとっても非常にわかりにくかったのです。ジョークなのか本当なのか、またはジョークに聞こえるのだけれど本音が含まれているのか…。
きっとそのアメリカ人の旦那さんがこの夫婦の表情をよく見ていたらそのような「事故」には発展しなかったと思います。
冗談で正反対の事を言う時は必ず本音が顔に書いてあるかのような表情を浮かべる人々。
そして、決まって「どうだ?面白いだろう?」とでも言いたそうな得意げな表情をしています。それらの発言自体はたいして面白いと感じないおかっぱなのですが、その表情が面白くて仕方ないのです。
※人々は発言自体も面白いと思っているのかも知れませんが真相は今後知ることになるでしょう…。そして、ロンドンや他の地域から引っ越して来た人々にもこのジョークの傾向はあるのでブリストルに限らずイギリス全土に渡る文化なのかもしれません。
さて、話は脱線してしまいましたが、長らく交流を続けていたこのご夫婦からもブリストル村の世界の狭さを知らされる事になりました。
おかっぱは学生時代にブリストルサウンド(通称トリップホップ)と言われる音楽に感銘を受け、暗いブリストルサウンド漬けになっていた時期があります。
今でもたまに聴くのですが、それをこのご夫婦に話したところ、「暗すぎる!!今後、あなたの家には遊びに行かない!」とまた得意げな表情を浮かべて冗談を言い、「そういえばトリッキーは彼と同じ学校に通っていたのよね」と旦那さんの方を見たのでした。
トリッキーといえばブリストルサウンドを代表するアーティストの1人でおかっぱも散々聴きました。
そのご夫婦の旦那さんが通っていた学校の一つ下の学年にトリッキーがいたのだそう。
トリッキーの出身の地は程よく田舎であり、おかっぱが引っ越す前に住んでいた場所からとても近い場所です。昔は少し荒れていた場所のようですが、今は平和な郊外というところでしょうか。
遠く離れた場所でその音楽に出会い好んで聴いていたおかっぱが、いざ引っ越してきたら狙ったわけでもないのに意外と近くにそのシーンが育まれた場所があったのです。
友達の1人がBanksyと友達だと言う人に最近会ったと言っていました。
謎のグラフィティアーティストであるBanksyがブリストルの出身と断言するブリストルの人々を不思議に思っていましたが、謎は解けました。
友達の友達や知り合いを辿っていくとBanksyに繋がるという狭い世の中。
それがブリストルなのでしょう。
おかっぱが子供の頃は周りにいる人全て知り合いという「狭い世界」を若干窮屈に感じていましたが、これも大人になって様々な世界を見ると悪くないな…と思うのです。
そこにしか世界がないと感じるか世界はそこだけではないと感じるかの違いではないかと思います。
そんな狭い世界の住人として暮らして1年弱。
まだまだ面白い事にたくさん出会いそうな予感がします。
へば、まんず!
(それでは、この辺で!)