おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

雨に濡れても

英国がロックダウンに突入してからというもの、晴れの日が続いておりましたが、気温差は激しく、先週はようやくこれこそ皆が言う英国の空と思えるようなお天気の日が続きました。

おかっぱはこのちょっとアンニュイな雰囲気の空模様が割と好きです。自分が晴れ女だと信じていたおかっぱの歴史は、英国に引越して2ヶ月後くらいから疑わしくなり、先日も散歩中に雨に打たれて木の下で雨宿りをしました。

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秋田村の豪雪地帯では雪が降った時に傘を差す人は珍しいと思います。おかっぱには雨も同じような感覚で東京でも傘を持ち歩く事はほとんどありませんでした。ある時雨に濡れながら歩いていると、親切な見知らぬ人が傘に入りなさいと自分が差している傘におかっぱを入れてくれた事がありました。見知らぬ人に心配をかけては申し訳ないと思い、それ以来折りたたみ傘を携帯することにしたのでした。しかし、その折りたたみ傘も軽い雨では活躍する事もなくカバンの中に忘れ去られたかのように眠っていました。

傘を差すのも習慣なのでしょうね…。

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ブリストル村に引越して数ヶ月後にホームセンターで折りたたみ傘を購入しました。思いつきで買った3ポンド位の傘でしたが、差してものの数分で風に吹かれてポッキリと折れました。あまりにも潔く壊れたので何の未練も感じさせずにおかっぱの元を去りました。

ブリストル村の天気が悪い日とは、数秒後のお天気は解らない変則的な空模様の事が多いです。その傘が壊れた日も傘が簡単に折れるほどの強風が吹くとは全く思っていませんでした。

それ以来、傘を再び買う勇気もなく、雪の日の秋田村民のように傘を持たない生活に戻ったのでした。

 

先日、雨に突然降られた散歩の際も出かける直前まで雨が降っており、散歩に出かけようか、それとも今日はやめておこうか…としばらく考えてから出かけたのでした。

 

雨の日や雨が上がった直後の景色は、晴れの日とまた違う趣があるように思います。その辺に転がっている石の色がとても美しく、まるで鉱物標本のように見えます。水に濡れると光の反射が起こりにくいためでしょうか。

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太陽の下ではキラキラと輝く光にひっそりと隠れて誰にも気が付かれないように静かに佇んでいるようです。石が本来持っている色が雨で呼び戻されて来ているような気がしてしまいます。

天気の良い日には見られない表情です。

 

城を見に行こうとして出かけた散歩でしたが、石に気を取られてなんだか足元ばかり見てしまいました。石に触ってみるとザラザラとしていてバースストーンと似た感触でした。

しばらく足元を見ながら歩くと城が姿を現しました。その瞬間、雨がまたパラパラと降り始め、相方とおかっぱは木の下で雨宿りをしながら城を眺めました。

 

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雨に打たれて佇む城はなんだかとても可憐で健気な感じに思えました。雨が落ち着いてから近くに行ってみると、途中で転がっていた石とよく似た石が城の外壁に混じっていました。

周辺で採れた石を使って建てられたのかも知れません。

 

ザラザラとした手触りでうっすらとピンクがかって見えました。晴れた日はきっと違う色なのでしょう。

相方は晴れた日はきっともっと綺麗に違いないと言っていましたが、おかっぱはこの雨に打たれる城の雰囲気がとても好きでした。晴れの日には見られない表情が見られたような気がします。

 

雨の日は出かけるのもなんだか気が進みませんが、雨に濡れた景色もなかなか良いではありませんか…。

また気を取り直して傘でも買おうかな…。

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へば、まんず!

(秋田弁: それでは、この辺で!)