おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

深夜1時をスキップして…

英国全土でパブが閉鎖してから2度目の週末が終わりました。

土曜日の夜、日付が変わり深夜1時になるのでそろそろ寝なくては…と思っていたら1時をスキップして突然2時になりました。

サマータイムが始まりました。

 

このロックダウンの騒ぎですっかり忘れていました。

 

確かにこのところ夜が明けてから日が沈むまでの時間が長くなってきているのを感じていました。このロックダウンが終了する頃には確実に春が訪れ夏に向かって夜の訪れがさらに遅くなっていることでしょう。

 

このCovid 19による一連の騒ぎはロックダウンに突入した所で結果が見え始めるのは2週間からそれ以上先だと思われます。しかし、3週間なんて案外あっという間かもしれません。珍しいものや景色を眺めて絶えず新鮮な気持ちでいるとその瞬間がぎゅっと凝縮されて飽きるなどという事は起こり得ないような気持ちになるものです。

 

日々を忙しく過ごしているといつの間にか訪れる春であったり虫たちの活動や雲の位置がなんだか高く感じられていくようなほんのわずかずつの変化には疎くなってしまいます。このロックダウンはその疎くなった感覚が研ぎ澄まされるような不思議な感覚を運んできました。

普段なら全く気が付かない小さな変化が見える事に気がついたのです。

 

以前から部屋に置いてある植物も太陽に顔を向け、伸びをしているように見えます。

 

おかっぱもあれこれと作業をしながらも1日に何度となく窓の外を眺め、時々は庭の様子を見に行き、1日1回と決められた散歩に出かけます。

外に出たならばまた、昨日とは違う何かに出会うのです。

 

おかっぱが子供たちの活動に賛同するために窓に貼った虹が子供たちに届いたのか、おかっぱのフラットがある通りにも虹が出現しはじめました。

初めはおかっぱの住む通りにはおかっぱの虹しかありませんでした。次はお隣のお家に、その次の日は斜め向かいのお家にと虹が増え始めました。

その他の近所のお家にもチラホラと前日はなかった虹が少しずつ増えています。言葉は交わしていないのに会話が成立したような不思議な喜びがありました。

 

それぞれのお家に植えられている木々や花も春に向けて生き生きと活動をし始めています。バンブルビーも蜜を集めて活動を始めました。

 

ブリストル村のみんなが強制的に引きこもりにされるこの事態にも自然は何事もなく動いています。春は誰にでも平等に訪れるのです。

この事態に陥ってようやく何も変わらないように見える平凡な日々にも変化はあったということを思い出しました。

 

おかっぱは子供の頃に夜が深けていく音が聞こえるような気がしていました。雪が降る音や雨のにおい、そんなものも大人になって様々なものに気をとられている間に感じなくなってしまったのでしょう!

 

このロックダウンによってスキップしていたものが全て戻ってきたような気持ちになってきました。

 

昨年初めて見たイングリッシュブルーベルを今年も楽しみにしていましたが、このままロックダウンが続けば今年はブルーベルはスキップする事になるでしょう。

 

今年見れずとも来年もまたきっとブルーベルは変わらずに咲くことでしょう。

現在の外出禁止の時間は昨年は気が付かなかったような身近に静かにやってくる小さな春を感じるために用意された時間と思えばなかなか良いではありませんか…。

 

日頃はあまり会話のない人々と会話をする機会もあり、今年はブルーベルをスキップしても他に何か昨年は見えなかったものが見えてきそうな予感がします。

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へば、また!

(それでは、また!)