おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

我々は何と戦うのか

ロックダウンから過去に無いほど携帯電話の通知が鳴る機会が多くなりました。

かなりご無沙汰していた人々から連絡が来るようになったのです。更には普段は対面で会話をしている人々からも次々にメッセージが届きます。

 

退屈していたり、不安になっていたりする人々がくだらない動画や画像を送ってみんなで笑いあおうとしているのです。

その合間にこのルールをきちんと守って会えない家族も大切にしてください。などと真面目なメッセージが時々届きます。

 

パブの同僚の家族でもこのウイルスによって亡くなった方が出ましたし、知り合いを辿るとウイルスに感染して亡くなった人の話がわりと身近に聞こえるようになってきました。

英国の現在の方針としては症状が出ても直ぐに検査までは辿り着かず、症状が重くなってきたら連絡して指示されるという流れのようです。ケースがこのまま増え続ければ緊急事態にも素早い対応は期待できません。

 

これはおかっぱの完全な妄想ですが、ウイルスが初めて爆発的に流行した地域からヨーロッパへ旅をする間に弱いウイルスは消滅し生き残ったウイルスのみが英国にたどり着いたとしたら最初よりも強くなっていてもおかしくないと思うのです。(あくまでもおかっぱの勝手な妄想です。そもそもウイルスは旅などしませんし、人間がそれを運んでいるのですから…。)

 

そのような事はただの妄想としても、ここのところ元々健康で持病の無い人も亡くなるという事例が発生しているのをニュースなどで耳にします。それを見て気持ちが滅入ってしまう人々も出てきています。

 

これはウイルスと戦う戦争であるという意見も目にするようになったこの頃、おかっぱは人々の心が弱ったり、恐怖に陥って何も信じられなくなっていくこととの戦いこそがこのウイルスとの本当の戦いのように思っています。

 

おかっぱは普段連絡を取り合わない人々から連絡が来るのは非常に嬉しいのですが、自分と向き合う時間を持たないと人々の不安な気持ちに巻き込まれてしまいそうな恐怖を少し感じ、今朝から一日に1時間くらいは意識的に携帯電話を切ろうと心に決めました。

 

1時間は意外とそれほど長くは感じず、気がつくと1時間以上経過し、パブのグループチャットには30を軽くこえるメッセージがたまっていました。

 

そのグループチャットでは、パブのマネージャーの子供が発信して家にあるものを使って恐竜を作るというコンペティションが開催されていました。子供がいる家庭とはこんなに面白い事が毎日起こるのでしょうか…。

 

おかっぱは家中のゴミをかき集めて恐竜を作ろうとしましたが同僚の子供達による大作の恐竜の写真が次々に送られて来て全くかないそうもありません。

ゴミをかき集めるおかっぱを見て綺麗好きの相方は若干不安そうな表情を浮かべました。

 

大人げなく子供に対抗しようとするおかっぱはゴミでは子供の創造性にはかなわないと悟り、最終的に折り紙で作った恐竜にマーマイトを囲ませました。実は昨日、そのグループチャットで複数の人がマーマイトが大好きであるという事実を確認していたのです。

マーマイトで人気を集める作戦にすぐに気がついたマネージャーは「彼女はマーマイトで私たちを買収しようとしています!」というメッセージを流しました。結局マーマイト作戦は失敗に終わり、作品を子供に持たせたならもっとチャンスがあった!などと人々にアイディアを与えて笑いだけは取れたおかっぱなのでした。

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このコンペティションはトイレットペーパーの芯で3匹の恐竜を作った同僚が勝利を収め、また後日別の課題で開催される予定のようです。

 

まだこのロックダウンが始まって5日間、これからもっとウイルスを身近に感じるようになってくると思います。皆それぞれ気持ちを強く持ち、励まし合い、情報を正しく受け取り、制作活動をし、時々は携帯電話を切り(笑)…そんな風にこの時間を過ごしていけたらと思います。

 

へば、まんず!

(それでは、この辺で!)