おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

ロックンロール少年がやってきた

以前のフラットの近所に住んでいる友人がホームステイの少年を迎える事になりました。

イギリスのロックミュージックに感銘を受け、初めての海外旅行先としてイギリスを選んだのでした。

 

おかっぱは少年の話を聞き、その昔イギリスの音楽に感動して衝動的にイギリスに来てしまった自分を思い出したのでした。

 

その少年と初めて会ったのは先々週のことです。物静かな少年で思慮深い雰囲気ですが、彼の振る舞いを見ると自分の中にきちんとした芯があり、自信もあり、自分と対話する強さも感じられました。

 

その少年、たったの1ヶ月の滞在にイギリスにギターを持ってくるほどの音楽好きです。イギリスで新しいギターを買って帰りたいと思っているそうで、おばちゃんが楽器屋に連れて行ってあげよう!と申し出ておかっぱが少年を引き連れて楽器屋へ出向く事となったのでした。

 

感情があまり顔に出ないクールな少年ですが、楽器屋へ到着してギターを目の前にすると途端に表情に様々な色が浮かび始めました。

 

気になるギターを数種類弾かせて貰うことにして、時たま様子を伺いにくる楽器屋の店員に感想を伝えて約1時間。楽器屋の店員がこれを弾いてみなさいと1本のギターを少年に渡しました。

少年がそれを弾くと明らかにこれまでと違う音がします。思わず2人で顔を見合わせ、お互い何かとんでもないものを渡されてしまったという驚きが無言で伝わったのでした。

 

とは言え、少年は若干19歳。予算を聞いてあったおかっぱは値札を見て日本円に換算。予算内ではありましたが、輸送費を入れると果たしてどうなのか微妙なところです。

 

少年が今にもうっかり衝動買いするのではないかと心配したおかっぱは、一度その場を離れてゆっくり考えた方がよかろうと思い、近場の屋台へごはんを食べに行くことにしました。

 

楽器屋を離れてからかなり本気でギターについて考えていたようで物静かな少年はさらに音を無くして考えに没頭していました。

 

食事を終えて少年をひとまず別の楽器屋へ連れていき、おかっぱは気になっていたハーモニカを買うことにしました。

実はおかっぱは以前ある楽器を弾いていたのですが、爪に絵を描くという趣味に取り憑かれて以来、弦楽器を諦め、おかっぱが愛用していた楽器は従兄弟に預けて弾いてもらっています。

 

爪が少し長くても弾ける楽器は何だろうかと過去数年に渡って考えていたおかっぱがたどり着いたのはハーモニカでした。

 

少年はギターはもちろん、ハーモニカも好きでよく演奏するのだそう。いつか買ってみようと思っていたハーモニカでしたが少年が現れた事によってあっさりハーモニカを手に入れる事になったおかっぱでした。

 

おかっぱは高級なハーモニカには目もくれずあっさり最安値のハーモニカを買ったものですから少年はまたギターについて少し考えたようで後日改めてまた楽器屋へ行く事にしたのでした。

 

その翌日、相方が少年を誘ってパブへ行こうと言い始めました。おかっぱが経験した事のない似たような境遇を味わったことのある相方と少年は何か通じる部分があるようです。相方は少年をギター専門店へ連れて行かなくてはならないと使命に駆られた模様でした。

 

物静かな少年ではありますが、おかっぱと相方には少し懐いてくれているように思います。

おかっぱと相方は自分たちの子供でもおかしくない年頃の少年が懐いてやって来ることが嬉しくもあり、たったの1ヶ月でいなくなってしまうのが既に少しだけ寂しく感じるのでした。

 

おかっぱが仕事をしている間、数日のホリデーがある相方はホリデー中の少年を連れてギター専門店へ行くようです。オン・ホリデーズ結成の瞬間です。

カタコトの日本語の相方とカタコトの英語の少年が2人で街へ出向く大冒険を見逃すのがちょっとだけ悔しいおかっぱですが初めてのおつかいのような感動ストーリーが後ほど聞けるのではないかと少し楽しみにしています。

 

2人揃って一体どんな冒険記を聞かせてくれるのでしょう。

 

 

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写真はおかっぱの新しい「小道具」として我が家にやってきたハーモニカです。

 

へば、まんず!

(秋田弁: それではこの辺で!)