おら、イギリスさ行くだ

田舎からイギリスのブリストルに引越しました。

選挙権のない選挙日

おはえんし。

(秋田弁でおはようございます)

 

先週イギリスでは選挙がありました。

明らかに新参者のおかっぱにも選挙は誰に(どの政党に)投票するのか聞いてくる地元民が沢山いました。

選挙を第三者側から眺めた記録をしたいと思います。

 

イギリスに住んでいる=ビザ所有者=選挙権があると思う人々。さらには、イギリス人と婚姻関係にある=イギリス国籍と思う人々までいる始末。

 

イギリス人配偶者がいようとも、おかっぱは滞在許可(ビザ)があるに過ぎず、選挙権などありませんので、選挙は許可されていません。

 

イギリスのEU離脱問題(通称Brexit)には皆かなり疲れきっていて、政治の話を躊躇いなくするイギリス人の間でもこの話はタブーになりつつある印象です。

しかし、新参者のおかっぱはそんな地元民のタブーを知りつつもよくわからないから教えて〜!昨日のニュース、どう思う?などと皆さんの意見をちょいちょい聞いています。

選挙権のない新参者のおかっぱに個人的意見を言ったところで何も波風が立ちませんし、わりと好意的に意見を聞かせてくれます。何より政治の話がわりとカジュアルで好きな音楽と同じくらいの話題のように感じることもある、ここブリストルです。

※選挙権があり、支持する政党の違う同士でも話しているのを小耳に挟みました。

 

選挙結果についてはブリストルはLabour party(コービン率いる労働党)の票が圧倒的に多かったようです。

おかっぱの友人の1人はLabourの選挙活動をしていた人もいましたし、職場のクライアントさんや話したローカルたちも圧倒的にLabourを支持する人が多かったです。Conservative party(ボリス率いる保守党)に投票する人ってどんな人!?とまで言う人々さえいました。Labourの支持者は社会保障や教育の充実、健康保険制度の再生などを期待していたりボリス・ジョンソンは支持できないという理由での消去法による支持者もいました。

 

ブリストルはわりと国際的な土地で移民も混じってこの国が構成されているという考えを持つ人々が多いように感じます。EU離脱を全面に掲げる政党の支持率が多少低いのもこの辺の影響のような気がします。ロンドンやブリストルから近場のウェールズあたりもLabourの票が上がった様子です。

 

ただ、おかっぱが話を聞いた人の中には少数ではあるもののBrexit(EU離脱)が決まったのだからさっさと離脱して早くこの混乱を終わらせて欲しいと思ったり、イギリスの通貨であるポンドの伝統を無くすことに抵抗がある人たちやEUに操作されがちな英国にうんざりしていたり、経済破綻している他のEU加盟国までイギリスが面倒を見る必要はないと考える人々もいてその人達はConservative partyに投票したようでした。

 

その他、Brexitに断固反対する意志を示す人々はLiberal democratic party(自由民主党)に投票したと言っていました。

 

もうどちらがいいのかまるでわからない、誰も支持できないという人々は選挙を放棄したと言っていました。

 

英国全体では離脱を求める投票結果になり離脱反対派は完全に絶望している様子です。

ドイツに住むドイツ人の友人はイギリス人が引っ越してきて地価が高騰していると言っていました。ドイツ、フランクフルトはBrexitの是非を問う国民投票の後から市民権を申請するイギリス人で溢れかえっているそうです。

 

Brexitを支持する人々は移民に対して嫌悪感があるのか?と疑問に感じていましたがそこまででもないように感じます。ただ、EU以外の移民とEUの移民、どちらも公平に扱われるべきであるという意見を聞きました。受け入れる基準をEU以外の移民に合わせるべきという意見でしょう。あくまでもおかっぱが話した人々の意見なので全体像ではないと思いますが、英国に来た移民がお金だけ稼いで国に帰ってしまうのは納得がいかないという国民が一定数いるようです。

 

日本は少子高齢化で外国人労働者の受け入れを進めているようですが、上手く進めないとどこかで不都合が生じるような予感がします。

日本の語学や文化を理解してもらい、日本にずっと居て貰えるようなシステムがないと英国のように出稼ぎ労働者が増え、国民に不満がつのり、犯罪の増加にもつながる気がします。

日本で行われたラグビーワールドカップのために日本に行ってきたと言う人々は日本は素晴らしい国だったと言ってくれる反面、日本に労働者として移住した人々の現状をインターネットなどで読むとどうもやり切れない思いです。

ロンドンの殺人事件の件数がニューヨークをこえたというニュースを以前見ましたが不安を抱えた若者が増えていることの証拠のように感じました。

これは日本にも起こり得る事かもしれません。

 

以前、バスの中で隣に座ったおじいさんが前触れもなく「中国人は国へ帰れ。」と言ってきた事があり、頭にきて散々言い返した事があります。中国人に間違われた事は一向に構わないのですが、理解を示すことなく排他的な意見を一方的に浴びせられたことに腹が立ちました。

結局は言い返してもそれに反論はできず、意見とすら言えないほどのセンスのない独り言でそれに反応してしまった自分もまだまだ器が小さいなぁ〜と思うに至った出来事でしたが、このようにこの国に移民はいらない!と短絡的に考える人も出会っていないだけで結構居るのだと思います。

移民を受け入れることによってその移民たちに自分の国を知ってもらい、自分も知らなかった自国の魅力を知る機会なのに勿体ないなと思います。おかっぱが東京で働いていた時には日本人であるおかっぱも知らない美しい日本を移住者である外国人に教えられる事もあって日本に生まれ育った日本人じゃ気が付かない事もあるなぁ…と思っていました。

 

選挙も終わり、EU離脱が本格的に進むことになりそうな2020年ももうすぐ。どうなるのでしょうね。

 

この1年、素晴らしい人々に囲まれてわりと呑気に暮らしてきたおかっぱ。

来年も平和に暮らせますように。

 

へば、まんず!

(それではこの辺で!)